Twelfth Night 十二夜

作:ウィリアム・シェイクスピア

訳:小田島雄志

演出:鵜山仁

出演:平幹二朗、片岡京子、後藤加代、松橋登、麻乃佳世、丹羽貞仁

   廣田高志、佐古正人、高橋耕次郎、他

1998年3月14日 大阪、シアター・ドラマシティ

 シェイクスピア戯曲の中でもすごく好きな作品。テレビでみた豪華キャストによる『女たちの十二夜』も良かったけど、生でみるのは初めて。昨年みた『リア王』と同じく幹の会プロデュース公演だが、平幹二朗は何の役をやるのかと思っていたら、執事マルヴォーリオだった。厳格で意地悪な性格があだとなり、みんなから徹底的に復讐されて、笑われる役だ。

 全体にとてもオーソドックスな演出で、幹の会プロデュース公演では既にお馴染みの役者さん達も、手堅い演技でソツがない。客席からも大いに笑いをとっているが、特に印象に残る公演かというと、『リア王』もそうだったけど、ちょっとどうかな‥‥。冒頭、オーシーノー伯爵(松橋登)が深いため息をつく所、やたらと太くて艶やかな声で大袈裟にやるものだから、何だか大笑いしてしまったが、笑っているのは客席で私だけだった。この人は、興奮すると卒倒するというキャラクター造形をしていたが、それも結構面白かった。

 それにしても、楽しい戯曲。ドタバタ調だが、素晴らしいセリフがあちこちに散りばめられていて、単なるコメディには終わらない。でもこの劇は、実力派の演劇人ばかりで構成するよりも、個性的な役者さんを集めて意表を衝くキャスティングをした方が面白いんじゃないかと思う。

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