2003年、『チェブラーシカ』のスタッフによる幻の人形アニメーションが日本で劇場公開されました。それがこの『ミトン』と二つの短編作品です。赤い編みぐるみの子犬と少女が抱き合っている雑誌の宣材写真をみて発奮した私達は、即座に映画館へ飛んで行きました。10分の短編を三本ですから全部合わせても30分しかないわけですが(さすがに入場料も千円になってました)、上映は各回ともかなりの入りだったようです。 監督のロマン・カチャーノフや美術のレオニード・シュワルツマン、音楽のシャインスキーなど、『チェブラーシカ』の主要スタッフが集結しているだけあって、いかにもロシア・アニメらしいこっくりした色合いやレトロで可愛らしいデザイン、胸に沁みる暖かさ、寂しさは健在ですが、『チェブラーシカ』と違って三作ともセリフがなく、サイレント風の雰囲気があるのが特徴です。母子の関係を描いていて父親が登場しない所も三作共通。こちらも後に、三作全てを収録したDVDが発売されました。 |