“名作ムーミンが、最新リマスタリングと素晴らしい日本語吹替で甦る”

『ムーミン パペット・アニメーション』 DVD-BOX

(1978〜82年)

 監督:マリア・リンドバーグ他

 日本語吹替:松たか子、段田安則

 フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの名作を、原作者監修の下、ポーランドの国営人形アニメ・スタジオ“セ・マ・フォル”が製作した連作短篇パペット・アニメ。ここでご紹介するのは、最新のデジタル・リマスタリングと新しい日本語吹替で、2012年3月から13年3月までNHK BSプレミアムで放送された50話を集成した5枚組ボックスです。各話10分完結で、観やすい点もポイント。(単売のDVDもあり)

 実はポーランド、お隣チェコを上回る世界最大の人形アニメ大国だそうで、同じスタジオの作品では『おやすみ、クマちゃん』もこのコーナーで取り上げています。本作がフィンランドではなくポーランドで作られたのも、その事情ゆえでしょう。レトロ感満載のコマ撮りアニメは可愛らしくノスタルジックで、子供よりむしろ大人の童心をくすぐるかもしれません。ブルー系の発色が際立つ色彩設計や豊かな自然の描写など、フィンランドらしいテイストも存分に演出されています。音楽も魅力的で、清涼感溢れる歌声とクリスマス・ソングのようにリズムが浮き立つPMMPの主題歌は、なんとも爽やか。

 お話の良さはすでに原作でお墨付きですが、特筆したいのが日本語吹替です。一人コントばりの七変化で大いに笑わせ、うならせてくれる松たか子の多彩な話芸、暖かみのある声と柔らかな語り口で、観る者を物語の世界へと優しく誘う段田安則のナレーションは、賞賛に値する素晴らしさ。オリジナル言語を収録していない点は賛否あるかと思いますが、この吹替のためだけでも試聴する価値のあるセットです。

 尚、旧バージョンは岸田今日子の吹替で、フルの全78話を収録しているので、全てのエピソードを観たい人はそちらを購入するしかないです。又、これらを再編集して長編映画にしたものが、『劇場版ムーミン パペット・アニメーション/ムーミン谷の夏まつり』と『劇場版ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション』で、これらにはオリジナル音声も入っていますが、日本語吹替は高山みなみ他の声優が担当しています。

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