独特の迷宮的な映像世界を紡ぐオロスの作品集。作風は主に、シンプルで太めの線を使った木版風のものと、銅版画の技法を使った精緻なものに分かれますが、一貫してモノクロのスタイルです。内容も決して分かりやすいとは言えず、少なくとも子供向けの可愛い作品はない感じ。社会主義から自由化へと突入した母国の情勢も背景にあるそうで、上下が逆転したような、だまし絵のような構図をよく取り入れるのも特色です。 1951年、ケチュケメート生まれ。ブタベストのハンガリー・アート&デザイン大学を卒業後、舞台美術から出発してアニメーター、アニメ映画監督として活動。版画家、デザイナー、イラストレーター、ナレーター、俳優としても知られています。 オロスは、妻でもあるドーラ・ケレステシュの初期作品で共同監督を務め、ケレステシュもオロス作品にスタッフとして参加しています。ちなみにこのDVDはケレステシュ、マリア・ホルヴァットの作品集と3枚組ボックス・セットにもなっています。 |