女優・二階堂ふみが雑誌『POPEYE』で2年間担当した、「大人」がテーマのインタビュー企画を単行本化。連載時のタイトルが「二階堂ふみのインタビュアー道」だっただけあって、対談ではなく、インタビューという体裁ですが、普段から付き合いのある俳優等が選ばれている回も多い様子で、やはり内容としては対談という雰囲気です。 面白いのは、お笑い芸人や俳優など、他の対談本にはあまり登場しないような人もチョイスされている所。女優さんが聴き手だと、内容がカジュアルな方向へ振り切りがちな場合もありますが、さすがは多方面へのマニアックな興味を示す才媛・二階堂ふみだけあって、平明な語り口の中にも、なかなか深い話を聴き出しています。 例えば、吉高由里子の「学生の頃は明日が勝手に来る気がしてたけど、大人になったら自分で今日を作らないと明日へは行けない」という言葉。あるいは「だいたい大人って、子供の想像の産物でしょう?」という、リリー・フランキーのひと事とか。 それにしてもここ数年、被写体としての俳優というだけでなく、製作側も含めた共同作業の一担としての俳優という、作り手意識の強い俳優がたくさん出て来たのは面白い傾向のように思います。蒼井優や上野樹里あたりを境に、成海璃子や橋本愛、長谷川博己、斉藤工、そして本書の二階堂ふみといった人達は、古い映画や文学、音楽などにやたら詳しかったりして、彼らが色々なアーティストを巻き込んで何らかのムーヴメントを作っていけば、面白い事になるのではないでしょうか。 |