“仏像さまへの熱い恋心溢れる、不思議ちゃんムード全開エッセイ”

『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』(幻冬社文庫)

 はな

 英語やフランス語も堪能なモデル/タレントのはなちゃんが、仏像さま達への熱いラブレターを綴った注目のエッセイ。趣味はお菓子作り&仏像鑑賞という彼女は、上智大学の比較文化学科卒。授業でたっぷりと仏像の勉強をしながらも、在学中はそれほどのめりこまなかったそうですが、それは私もよく分かります。私は大学でシェイクスピアのゼミを選択していましたが、社会人になって演劇の舞台を観に行くようになるまで、シェイクスピアには大した興味を持ちませんでした。

 ひたすら仏像のルックスや醸し出す雰囲気への憧れを綴り、妄想の世界も漂ったりする本書は、書き手がモデルさんで、対象が仏像でなかったら、ほとんどアイドルおたく系のノリという感じ。でも、思えば自分がお寺や仏像を観に行く時も、確かにこういうミーハーな観点でみているなあと改めて思いました。勿論著者は、きちんと勉強した人だけあって、各仏像やお寺のバックグラウンドについても言及しております。奈良と京都の仏像を中心に全20件、なかなか参考になりますよ。

 それにしてもはなちゃんの文章、ムードが摩訶不思議すぎます。現実と妄想の境目が、ほとんどありません。テレビ等でみる彼女以上に、実際の彼女も相当な不思議ちゃんのようです。唯一残念なのは、文中で触れられている仏像の写真が少ししか収録されていない事。代わりにイラストが豊富ですが、可愛らしすぎて本物のイメージが掴み難いです。イラスト自体は面白いし、この本の場合、それでいいのかもしれませんが‥‥。(ちなみに、写真もところどころに入っていて、エッセイの内容と関係してはいますが、コメントが付いていないので著者が撮ったものかどうかははっきりしません。)

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