オーケストラ版のハンガリー舞曲集は、メジャーなオケ、指揮者による録音が意外に出ません。恐らくは、ブラームス自身やドヴォルザークがオーケストレーションした数曲以外は、音楽的に一段劣って聴こえるせいかもしれませんが、こうやってまとめて聴くと確かにその印象も否めません。ティルソン・トーマスのように、わざわざブラームスとドヴォルザークの編曲だけをセレクトして録音する指揮者もいるくらいですからね。それでも、原曲自体がすこぶる魅力的で、私はドヴォルザークのスラヴ舞曲集よりもこちらの方をより好みます。 アバド&ウィーン・フィルというトップレヴェルの組み合わせによる演奏はなかなか楽しいもの。80年代のデジタル録音ですが、どこかザックリとした切り口で勢いのある演奏を展開している所、若くてエネルギッシュだった頃のアバドを彷彿させます。それにしても、これだけディスクが少ないと、クラシック好きの人でもオケ版で全曲を聴いた事がない人は結構いるかもしれませんね。プレゼントに良いかもしれません。 |