ホルストといえば誰だって組曲《惑星》を思い浮かべるでしょうが、吹奏楽の経験者なら組曲第1番も随分と耳にする作品でないでしょうか。逆に、吹奏楽とは無縁のクラシック・ファンはあまり聴かない曲かもしれません。もしそうだとしたら、勿体ない話です。だって、こんなに魅力的な曲なのですから。イギリス民謡風の鄙びたメロディが次々と繰り出されるこの曲、《惑星》の英国的側面がお好きなリスナーなら要チェックです。少し人気は落ちますが、第2組曲もブラスバンドのレパートリーとしてはメジャーですね。これも楽しい作品。ムーアサイド組曲とハマースミスは、ホルストにしては現代的な作風で、前二曲ほどの親しみ易さには欠けますが、《惑星》以外にほとんど作品が紹介されていないホルストですから、耳に出来るというだけでもむくむくと興味が募ります。 ダラス・ウィンド・シンフォニーの演奏は現代感覚溢れるきびきびとしたもので、充実した選曲と録音の優秀さも考慮してここに取り上げましたが、現在はユーズドでしか入手出来ないようなので、吹奏楽の神様と呼ばれた故・フレデリック・フェネル指揮、クリーヴランド管弦楽団管楽セクションによるディスクも一緒にご紹介しておきます。ただし、こちらは組曲第1&2番のみ収録で、カップリングはヘンデルとバッハ。 |