“俊英サロネンが精緻な棒で描く、バーナード・ハーマンの名曲の数々”

バーナード・ハーマン/映画音楽集(知りすぎた男、サイコ、マーニー、北北西に進路を取れ、めまい、引き裂かれたカーテン、華氏451度、タクシー・ドライバー)

 エサ=ペッカ・サロネン指揮 ロスアンジェルス・フィルハーモニック

(録音:1996年  レーベル:ソニー・クラシカル)

 こちらはロス・フィルでも1992年からの音楽監督サロネンによるもの。ヒッチコック作品を中心に、トリュフォーの『華氏451』とスコセッシの『タクシー・ドライバー』の音楽も加えた魅力的なハーマン作品集になっています。サロネンは、ハリウッドの作曲家と組んでエンターティメント・ショウを企画したり、ジョン・コリリアーノが作曲した『レッド・ヴァイオリン』のサントラに参加したりと、映画音楽には親近感を示す人ですが、当アルバムはそれぞれの作品がクラシック風の組曲に構成されている所がユニークです。

 『サイコ』と『めまい』はハーマンのスコアの中でも特に芸術性の高い音楽だと思うのですが、サロネンとロス・フィルの精緻極まる演奏ぶりは大変に聴き応えがあります。一方『知りすぎた男』は、映画のタイトル・バックでティンパニの猛烈な連打が続くスリリングな曲ですが、サロネンの演奏は洗練されて抑制の効いたもので、人によっては物足りなく感じるかもしれません。ハーマンのファンにとっては、ヒッチコックの意向でお蔵入りになったという『引き裂かれたカーテン』の音楽が収録されているのも嬉しい所でしょう。シンフォニックな曲ばかりでなく、『タクシー・ドライバー』のようなジャズ系の音楽が入っているのもサロネンらしい選曲です。ただし、現在は廃盤で中古盤の価格も高騰中。SACDは現役のようなのでリンク(右)を貼っておきます。

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