西本智実 指揮

大阪センチュリー交響楽団

漆原朝子(ヴァイオリン)

曲目

ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲

ベートーヴェン/交響曲第3番《英雄》

2004年12月4日 神戸国際会館こくさいホール

 最近の大阪センチュリーは金聖響のイメージが強くて、西本智実が指揮台に立つのは意外な感じ。もっとも、私が知らないだけで何度も客演しているのかもしれない。オペラ《エウゲニー・オネーギン》で一度生演奏をきいた事がある指揮者だが、会場の神戸国際会館は初めて。なかなか綺麗なホールだが、響きはどうか。ちょっと浅い響きにも聴こえるが、今日は天気が雨模様なので、ちょっと分かりにくいかも。オケの編成も小さいし。

 疲れていたのか、度重なる睡魔に襲われ、冷静な鑑賞が出来ず。どちらも好きな曲なのだが、冬のコンサートでは寒い野外から暖かい室内へ入って、丁度食後(お昼のコンサートでした)という条件が揃うと、どうしても眠気が…。コンチェルトの第2、第3楽章と、エロイカの葬送行進曲は大部分で寝てしまった可能性あり。すみません。コンチェルトでは、間を置いてトゥッティに入る場面で、指揮者が気合いを入れて指揮台をドンッと踏んでいたのが印象的。全体に、ホールのせいもあるのか、何となく響きに隙間があって充実感に乏しいベートーヴェンにもきこえる。

 ソリストの漆原朝子は、私が子供の頃から関西のコンサートホールではお馴染み。それとも、実は漆原姉妹を交互に聴いていて、それが記憶の中で混ざり合っているのだろうか。今となっては謎だ。エロイカの終楽章コーダ、金聖響のディスクをきいて、あのアーティキュレーションは相当個性的な解釈だと思っていたのだけれど、今回の西本智実も同じ様に演奏していた。してみると、これは最近流行の何々版というような楽譜のエディションの問題だったのだろうか。

 アンコール、きいた瞬間に「これはシベリウスだな」と分かったが、何の曲か判明せず。心の琴線に触れる、優しくて暖かなメロディ。ものすごく良い曲だ。終わってロビーに出ると、曲名が張り出されてあった。《アンダンテ・フェスティーヴォ》。あれ? これは持っている筈だ。《祝祭アンダンテ》と訳されたりする曲だ。家に帰ったら調べてみよう。(*この曲のディスクはやっぱり持っていた。ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団の演奏で、シベリウスの第5交響曲とカップリング。学生時代に購入した当時、二、三度は聴いている筈なのだが、印象に残ってなかったのか。一体何を聴いていたのだ、当時の私よ…)

まちこまきの“ひとくちコメント”

 今日は何やら客層がいつもより華やいだ雰囲気。熱烈な西本智実ファンらしき女性の熱気は、まさにヅカファンのよう。今日一番感動したのはアンコールの曲。思わず涙が出そうになる。終わってロビーにでると、アンコールの曲名が掲示されていた。それをメモる人達。みんな感動したんだな。

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