金聖響 指揮

大阪センチュリー交響楽団

川崎洋介(ヴァイオリン) 秋山裕子(チェンバロ)

長山慶子(フルート)

曲目

バッハ/管弦楽組曲第2番

ヴィヴァルディ/協奏曲集《四季》〜《秋》《冬》

ヴィヴァルディ/フルート協奏曲第3番《ごしきひわ》

バッハ/管弦楽組曲第4番

2007年11月18日 伊丹市立文化会館、いたみホール

 9月に同ホールで行なわれた公演の続編(?)というか姉妹プログラム。ヴィヴァルディの四季とバッハの管弦楽組曲全曲を2回に分けて半分ずつ演奏するという企画である。指揮は人気の金聖響だが、指揮者の役割のさほど大きくない曲であるせいか、いかにもリラックスして振っている雰囲気(時折、全く指揮棒を振っていないように見える)。

 バッハは有名な第2番が楽しいが、フルートの音が弱くて旋律線が分かりにくい。フルートのコンチェルトを生で聴くのは初めてなので基準が分からないが、この楽器は音量的にこれで妥当なのだろうか。《ごしきひわ》はオケの編成がさらに少ないせいか、もうちょい聴き易い印象。個人的にあまり馴染みのない曲だが、途中無伴奏で小鳥の声を模倣したようなカデンツァがあったりして面白い。ヴィヴァルディはよほど標題音楽的なスタイルが好きだったみたい(というか、彼がこの分野のハシリだったっけ?)。組曲第4番は、ティンパニとトランペットが派手に鳴らされて私は苦手。バッハやヘンデルによるこの手の曲は、どうも単調でうるさく感じられて仕方がないのだが、他のクラシック・ファンにはそうじゃないのだろうか。

 四季は秋冬ともに有名な美しいメロディが多く、私も好きだ。しかし《冬》はテンポ早すぎ。とんでもないスピードで超絶技巧を強調した演奏だが、曲の雰囲気は伝わりにくくなっちゃった。特にソリストにその傾向が強いとみえ、オケのアインザッツから一人飛び出して、走り気味に音を突っ込んでゆく。そういえば、前回の春夏篇でもそういう性向が出ていたように記憶している。

まちこまきの“ひとくちコメント”

 同ホールで行なわれた9月の演奏会では、一番前の席なのにはじっこだったので、目の前には誰もいない空間が広がり(小編成なので舞台中央にしか演奏者がいない)、近いには近いが、ちょい淋しい状態で音楽を聴いていた。今回は2階席で、全体が見れるが、なんだか遠くて、前ほどリラックスムードが伝わってこない。金さんの顔もほとんどわからなくて残念。こじんまりした演奏会とホールの広さの関係って、難しいもんだな。

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