巷で話題沸騰のジャズ・ピアニスト、上原ひろみのピアノ・ソロ・ライヴ。クラシックではないが、クラシック専用ホールであるザ・シンフォニーホールでの公演だから、敢えて当コーナーで番外編的にコメント。 何しろ夫婦共々、少し前から大ファンである。私はジャズはそう頻繁に聴かないし、鍵盤奏者でよく聴くのは小曽根真とハービー・ハンコックくらいだが、そこに最近加わったのがこの人。デビュー当初のアルバムで、これ又私が大好きなスクリーミング・ヘッドレス・トーソスの超絶ギタリスト、デヴィッド・フュージンスキーと組んでいる所も気に入った。ピアノの演奏技術も超絶的だが、この人、作曲のセンスも天才的である。ライヴに出かけるのは今回が初めて。 ホールはいつもと違って、床にはポップなピアノ風のイラストが描かれたシート、照明もカラフルで、演奏時にはスポット以外消灯。曲は、今回発売されたピアノ・ソロのアルバムから選曲しているが、九割くらいがアドリブだというので、CDを聴いたらまた全然違う感じなのかもしれない。それにしてもこの人、いつも本当に楽しそうにピアノを弾く。時折「オ〜イ!」とか「あああ〜」とか、かけ声を入れたり、うめき声を発したり、とにかく賑やか。BSで放送された東京JAZZで、矢野顕子のヴォーカル入りでやっていた《グリーン・ティー・ファーム》という美しい曲も演奏。 奏法も色々で、内部に鉄板を挟んでハープシコードの音を模したり、弦を抑えてミュートしたり、何かで弦をこすってシャリ〜ンという音を発したり、色々やる。立ち上がる。叫ぶ。弾き終え方もカッコイイ。颯爽と弾き終えて、その勢いで少し歩いて行ったりする。たった一台のピアノで、満場のコンサートホールを湧かせる彼女、今さら言うまでもないけど、やはりただ者じゃない。ただただもう、すごいの一言。 MCはテレビでもお馴染みの、ほんわかした上原ひろみワールド炸裂で、客席を大いに沸かす。「またいつかライヴやりますから来て下さ〜い」。また行きます。 |