ヘルシンキの割とすぐ近くにヌークシオ国立公園という、自然がいっぱいのヘルシンキ市民憩いの場があります。もっとも、公園といってもフツーに大自然まっただ中で、現地の人はキノコやベリー類を採りに出かけます(公園内では自由に採っていい事になっておりますので)。日本人からすれば、手軽にフィンランドらしい森と湖を満喫できる場所と言えますが、いかんせん、ここも旅行ガイドには詳しい道順や地図が載っていません。 これはもう、実際に現地へ行ってみないと分からないので、ガイドの備考欄に小さく載っているアクセス通りに行ってみました。ヘルシンキから電車に乗って約三十分、エスポーという駅で下車。駅前のバス停から85番のバスに乗ってこれも三十分、ヌークシオンパーで下車。といっても当然ながら、どこがヌークシオンパーのバス亭なのか全く見当もつかないので、運転手さんに降りる場所を伝えておかなければなりません。そして、この国のバス運転手はほぼ例外なく、とびっきりの無愛想なのです。バスに乗るたびに胃が痛みます。 地の底から響く不気味なしわがれ声で、老運転手が「ヌークシオンパアアア〜」とうめいたので急いで下車。停留所から先は、ガイド本の大ざっぱな記述ではさっぱり要領を得ず、かなり不安だったのですが、周囲を見渡すと、バケツを持って脇道に入ってゆく現地の人々が数組いたので、彼らに付いていくだけで事なきを得ました。とは言っても、全体的には全く公園らしい体裁になっておらず、ハイキングコースのスタート地点に駐車場と立て看板があるだけで、そこまでも三十分くらい歩きます。 |