■フィンランド旅行(2005.9)

ハメーンリンナ 〜アウランコへの旅〜

 ヘルシンキからそれほど時間をかけずにフィンランドの大自然を味わうには、もう一つ、アウランコという所があります。ヘルシンキから電車で一時間半、ハメーンリンナという駅が最寄りですが、これまた詳しい地図がガイドブックに載っていないので、勘だけを頼りに行ってみる事に。駅を出た所に案内板があり、脇のボックスから無料のマップを引き抜いたまではいいのですが、バスの乗り場があっちこっちにたくさんありすぎて路線図を見ても全然分かりません。アウランコまでは約4km。近くに人もおらず、時刻表を見てもそうぽんぽんバスが来る様子はないので、結局また歩く事にしました。

 気持ちの良い閑静な住宅地を抜け、湖沿いの美しい道路をガンガン歩いてゆくと、三十分以上かかってやっと到着。こちらは人工造成の公園という事で、自然は一杯ですが、池なんかは日本の公園みたいな感じもあります。しかし、ここには名物の古い塔があって、まずその横の展望台に近づいてびっくり。ものすごい絶景です。手前に広がる湖と、見渡す限りの大森林。そして、地平線の果てまで続く空。これぞフィンランド!という景色です。高所恐怖症の私達には、33mの塔を上るには大変な勇気がいりましたが、内部の螺旋階段を延々と上り、屋上に出ると、もう三百六十度この景色です。人生観が変わってしまいそうなスケール。

 ハメーンリンナの街へはアウランコ・ホテル前から出ているバスで戻りました。シベリウスの生家もあるこの街は、とても静かな湖畔の住宅街。こんな所に永住したい、と思えるような穏やかな街で、ただ散歩しているだけでも幸福感満開です。ここでは、ハメ城という中世のお城が有名ですが、いわゆるヨーロッパ風の装飾的なお城とは全然違って、むしろ要塞といった感じ。地味なデザインですが、真下から見上げるとスケールの大きさに腰が砕けそうになります。でも、湖畔にひっそりと立っていて、もの静かな佇まいもある、美しいお城。ちなみに、ハメーンリンナという街の名前は「ハミ民族の城」という意味だそうです。ここも、私達が行った時は他に誰もおらず、敷地内のベンチに座って、静かな湖面と澄み切った青空を心ゆくまで眺めて帰りました。

 

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