■スウェーデン、デンマーク、ノルウェー

『めるへんいっぱいデンマーク紀行』

 絵:安野光雅  文:宮沢乃里子  写真:福田稔

 東京書籍・1999年

 著者はNHKのディレクターで、『おかあさんといっしょ』『できるかな』等の子供番組も手掛けた人。その中に『安野光雅・風景を描く』という趣味のシリーズもあったという事で、その縁が本書に繋がった(同じシリーズでスイス紀行の本も出ている)。この本がいいのはエッセイが内容、ヴォリューム共にしっかりしている所と、イラストだけでなく写真も収録している所。装丁も可愛くて、子供達の写真を集めたページなんかすごくキュート。

 チボリ公園、レゴランド、アンデルセンの故郷オーデンセ、フュン島など、有名な観光地は一通り網羅している一方、ボーンホルム島やリーベの街など、ツアー旅行ではなかなか行けないような場所も紹介されている。ロイヤル・コペンハーゲンを始めとするアンティークや料理にも章が設けられていて楽しい一冊。カラー・ページも豊富。

『北欧スウェーデンの幸せになるデザイン』

 著:山本由香

 インターシフト・2005年

 pieni kauppaの『北欧のかわいいデザインたち』が出た辺りから、類似本がどんどん書店に並びはじめた。こちらはストックホルム在住のデザイン・ジャーナリストによるもので、カラー写真ページと文章ページを交互に配置した構成。分量的には写真と文章が半々だが、紹介アイテムの多さは圧倒的。

 スウェーデン一国に絞って、より深く広く、デザインとその背景にある思想や考え方にまで言及していて、ヴィジュアルを楽しむ軽い本とテーマを追求した読み物の両ニーズに対応。日用品は勿論、食器やテーブルウェア、家具、玩具、ストリート・オブジェ、建築、お店や公共施設まで幅広く紹介、マクドナルドや地下鉄の駅構内なんて思い切りカラフルなデザインでビックリ。スウェディッシュ・デザインを取り巻く環境や個々のデザイナーもピックアップしていて、充実した内容。

『北欧ストックホルムのアパルトマン』

『ストックホルムの子ども部屋』

『ストックホルムのキッチン』、他

 著:ジュウ・ドゥ・ポゥム 

 主婦の友社・2005年、2006年

 フランス/パリからスタートしたこのシリーズ、オランダの次はスウェーデンの首都ストックホルムへ。人気デザイン・ユニットの著者が知り合ったアーティスト達の住居を写真で紹介する所は共通。アート系の人達の家庭なので、普通のサラリーマン家庭とは雰囲気もかなり違うのだろうが、普通なら垣間見る事のできない現地の人の生活、インテリアや内装の工夫などを窺い知る事が出来る所が魅力。

 色々なテーマで出ているので、読者の方もその時々の興味に合わせて参考にできるのがいい。他に『北欧ストックホルムのアトリエ』『北欧ストックホルムのガーデニング』『北欧ストックホルム恋人達のアパルトマン』なども出ている。オールカラー。

『北欧デンマークのかわいいモノたち』

 著:京極祥江

 インターシフト・2006年

 インターシフトの北欧かわいいモノたちシリーズ、デンマークも出た。著者はデンマークの生活スタイルや北欧の旅行情報を日本の雑誌に寄稿しているコペンハーゲン在住のライターで、こちらも生活用品や文房具、食品、雑貨から、各種パンフレット、切符、看板まで、デンマークの可愛いデザインがオールカラーでたっぷり。現地生活者ならではの豊富なアイテム数とユニークなチョイスが光る。

『北欧スウェーデンの旅手帖』

 著:おさだゆかり

 アノニマ・スタジオ・2009年

 北欧雑貨店SPOONFULの店主による北欧本第2弾。著者は北欧でも特にスウェーデンに思い入れがあるようで、ここでもお薦めの雑貨店やスーパーで見つけた日用品、おみやげ、カフェやレストランの案内、現地友人の暮らしぶりの紹介など、多岐に渡るテーマを取り上げている。バイヤーらしく、旅の情報も紹介。丁寧に作られた上品な本で、著者の真面目さが反映されてユーモアに欠けるのはこういう本にありがちな所。オールカラー。

『スウェーデン 森に遊び街を歩く』

 著:Sanna 

 書肆侃侃房・2013年

 フリーライターによる、オールカラーのガイド本。前半のストリートマップはお店の写真と紹介ばかりで完全に情報誌寄りだが、後半はクリスマスや夏至祭、フィーカなどの風物詩や、野外博物館、工場、宿泊施設等への取材もある。写真が豊富で美しいのも嬉しい所で、マップに散りばめられた写真を見ているだけでも、いかに洗練された綺麗な街であるかが伝わってくる。タイトルから受ける印象と内容には少しズレがあるかも。

『3日でまわる北欧 in ストックホルム』

 著:森百合子 

 SPACE SHOWER Books・2017年

 既にヘルシンキ、オスロ、コペンハーゲン版が出ているこのシリーズ、これで北欧4カ国が揃った。著者の本も含め、類書もたくさん出ているジャンルだが、このシリーズは都市を絞っている所が特徴。本のサイズが少し小さいので、写真もやや詰め込み感があるが、旅行に持ってゆく人には軽くていいかも。情報は盛りだくさんに充実していて、個人旅行やフリータイムの計画で参考になりそう。

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