プリンセス・ブライド・ストーリー

The Princess Bride 

1987年、アメリカ (99分)

 監督:ロブ・ライナー

 製作総指揮:ノーマン・リア

 製作:アンドリュー・シェインマン、ロブ・ライナー

 共同製作:スティーヴ・ニコライデス、ジェフリー・ストット

 脚本:ウィリアム・ゴールドマン

 撮影監督 :エイドリアン・ビドル

 プロダクション・デザイナー :ノーマン・ガーウッド

 編集 :ロバート・リートン

 音楽 :マーク・ノップラー

 出演:ロビン・ライト       ケアリー・エルウェス

    マンディ・パティンキン   クリス・サランドン

    クリストファー・ゲスト   ピーター・フォーク

    キャロル・ケイン      ビリー・クリスタル

    アンドレ・ザ・ジャイアント

* ストーリー

 昔々、フローリンという国で、キンポウゲという美しい娘と貧しい青年ウェスリーが愛を誓い合っていた。しかし、旅に出たウェスリーが死んだと聞かされたキンポウゲは悲しみに暮れ、腹黒い王子の求婚を受入れてしまう。実は死んではいなかったウェスリー、覆面を付け、謎の剣士として、キンポウゲを救うべく王子の城に乗り込む。

* コメント  

 私は昔から、西洋ファンタジー映画が苦手でした。欧米の人々にとっては親しみ深く懐かしい世界なのでしょうが、どの作品もストーリーや雰囲気が似かよっていて、退屈してしまう事が多かったのです。最近は『ロード・オブ・ザ・リング』をはじめ独創的な作品も増えましたが、かつてはリドリー・スコット(『レジェンド/光と闇の伝説』)やロン・ハワード(『ウィロー』)といった実力派監督ですら、一定以上の個性は発揮しきれていなかったように思います。さりながら、ロブ・ライナーのこの斬新な映画はどうでしょう。全編が、なんと軽妙で、ユーモアに溢れている事か。この映画の美点は、ジャンルこそファンタジーですが、あくまでクールなポーカーフェイス・コメディのタッチで作られている点に尽きます。

 本作に、どこか現代的な感覚が横溢しているのは、映画全体が、おじいちゃんが子供に話して聞かせるベッドタイム・ストーリーという体裁をとっていて、要所要所に絶妙なタイミングで現代パートが挿入されるからでしょう。おじいちゃんを演じるのは、TVシリーズ『刑事コロンボ』で有名なピーター・フォーク。彼が、典型的な人格者ではなく、どこかすっとぼけた性格に造型されているため、話られる物語にもどこかコミカルな視点が介在するわけです。謎の覆面剣士ウェスリーと個性的な悪役達の攻防も、ちょっとしたコントを見るようで笑えます。それでいて、お姫様を救う正義の剣士、悪の成敗、ハッピーエンドといった、冒険ファンタジーのツボは決して外さない所、さすがです。意表を衝いたキャスティング、美しい映像と共に、個人的にはとても好きな作品。

* スタッフ

 元々は『明日に向かって撃て!』のベテラン脚本家、ウィリアム・ゴールドマンが書いた小説が原作で、彼自身がシナリオも執筆しています。これが又、原作者の特別な思い入れがある小説で、ライナーは映画化の話をしにいった時、「一番好きな本だ。自分の子供みたいに気に入っている。その本をどうする気だ」と詰め寄られたそうです。しかしゴールドマンは、ライナーの次作『ミザリー』の脚本も書いている他、『ア・フュー・グッドメン』にもコンサルタントとして参加しているので、この映画化は満足できるものだったのでしょう。

 同じく『ミザリー』で続投しているのが、プロダクション・デザイナーのノーマン・ガーウッド。数々の舞台やスピルバーグの『フック』など、大規模なファンタジー物も得意な人で、本作にはうってつけです。注目したいのは撮影のエイドリアン・ビドル。彼はリドリー・スコット監督の古い仕事仲間で、スコットの作品も数作手掛けている他、ロン・ハワード監督唯一のファンタジー映画『ウィロー』の撮影も担当しているので、幻想的な映像美には定評のある所でしょう。

 製作陣と編集は常連チームですが、共同製作に名を連ねているスティーヴ・ニコライデスとジェフリー・ストットも、本作以降のライナー作品に参加し続けてゆく人達です。音楽はロック・バンド、ダイアー・ストレイツのリーダー、マーク・ノップラー。主題歌がヒットチャートを飾るだけでなく、アカデミー賞にもノミネートされました。

* キャスト

 キンポウゲを演じるのはロビン・ライト。後にショーン・ペンと結婚してロビン・ライト・ペンと改姓しましたが、代表作の一つ『フォレスト・ガンプ/一期一会』をはじめ、いつも強い印象を残す優れた役者さんです。相手役のケアリー・エルウェスは、派手な活躍こそしていませんが、時折サブ・キャラクターや悪役で登場しては大きなインパクトを残してゆく、ハンサムながらかなりの個性派。ウディ・アレン作品で知られるウォーレス・ショーンや名優クリス・サランドン、プロレスラーのアンドレ・ザ・ジャイアントが悪役グループで活躍しているのも楽しい配役です。

 『さらば冬のかもめ』『アニー・ホール』に出ていたキャロル・ケインは、本当はきれいな人なのに、なぜか特殊メイクをして年老いた魔女みたいな役でよく出る不思議な女優さん(アニメ声が出せるからかも)。彼女と一緒に、とんでもない老けメイクでビリー・クリスタルが出演しています。二人とも、エンド・クレジットを見るまで誰だか分かりません。『スパイナル・タップ』のクリストファー・ゲストも6本の指を持つ悪の首領を好演。

* アカデミー賞  ノミネート/主題歌賞(ウィリー・デヴィル)

 

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