文学者、翻訳者の柴田元幸が、英米文学界の名作家達にインタビューした豪華な本。対談本ではないですが、タイトルにも表れている通り、単なるインタビューではなくちゃんと対話になっているので、当欄で取り上げても違和感はありません。 取材相手がとにかく一筋縄ではいかない才人ばかりで、パワーズをはじめインタビュー記事を読む機会がなかなか無い、稀少な作家名が並んでいるのはファン垂涎。村上春樹だけは我が国でもエッセイやインタビューがたくさん出ていますが、それでもここでの対話の内容はなかなかぶっ飛んだ、ディープなものです。 本書では、オリジナルの英文が併記されている上、日本語での対談だった村上春樹を除き、全て音声のCDも付属しています。そのため、内容に比して分厚い本になっているのは賛否の分かれる所ですが、英語の勉強をしたい読者には一石二鳥かもしれません(この内容を理解できる人は、相当な英語上級者だと思いますが)。ただ、作家の肉声を聴ける点にも価値があるんでしょうね。 |