“英米文学界を代表する9人の作家達による、生の声”

『ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』 (アルク)

 編・訳:柴田元幸

 ×シリ・ハストヴェット、アート・スピーゲルマン、T・R・ピアソン

  スチュアート・ダイベック、リチャード・パワーズ、レベッカ・ブラウン

  カズオ・イシグロ、ポール・オースター、村上春樹

 文学者、翻訳者の柴田元幸が、英米文学界の名作家達にインタビューした豪華な本。対談本ではないですが、タイトルにも表れている通り、単なるインタビューではなくちゃんと対話になっているので、当欄で取り上げても違和感はありません。

 取材相手がとにかく一筋縄ではいかない才人ばかりで、パワーズをはじめインタビュー記事を読む機会がなかなか無い、稀少な作家名が並んでいるのはファン垂涎。村上春樹だけは我が国でもエッセイやインタビューがたくさん出ていますが、それでもここでの対話の内容はなかなかぶっ飛んだ、ディープなものです。

 本書では、オリジナルの英文が併記されている上、日本語での対談だった村上春樹を除き、全て音声のCDも付属しています。そのため、内容に比して分厚い本になっているのは賛否の分かれる所ですが、英語の勉強をしたい読者には一石二鳥かもしれません(この内容を理解できる人は、相当な英語上級者だと思いますが)。ただ、作家の肉声を聴ける点にも価値があるんでしょうね。

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