“10歳の少年が書いた、詩集のように深い自己啓発本”

『見てる、知ってる、考えてる』(サンマーク出版)

 中島芭旺

 著者のバオ君は10歳の男の子。両親の離婚で転校したのを機に、自ら「小学校へは行かず、自宅で学習する」という決断を下しました。9歳で著名人のセミナーに一人で出かけるようになり、「自分で選択して学習する」「好きな人から学ぶ」がモットー。ツイッターでつぶやく言葉が「深すぎる」と話題になり、本を出す事を決意。フェイスブックのアカウントを通じて、自身でサンマーク出版の編集長に連絡し、本の企画を持ちかけます。そうやって出来たのが本書。その経緯は、編集長が書いたあとがきにも詳しいです。

 とにかく、読んでみて下さい。私は会社員という職業柄、ちょくちょくビジネス書も読みますが、ここでバオ君が、私がそういった本を読んでいてビビっと来るような事と全く同じ事を、より核心を衝いた言葉で言い得ているのに、ただただ驚きます。著者の年齢は全く関係なく、実に教えられる事の多い本です。

 例えば、「自分に優しい変換機を使うと 世界が変わる。」「僕の最大の長所は、1人では何も出来ないこと。それを知っていること。助けてっていえること。」「僕の自信は、根拠のない自信。根拠がある自信は、その根拠がなくなったらなくなる。」「自分の映像を見て、生意気だと思った。いじめっ子もいじめたくなるよなと思った。いじめっ子を作ってたのは僕だった。加害者を作ってたのは僕だった。」

 つまりエッセイではなく、散文詩みたいな体裁です。各ページにぽつんぽつんと書かれていて、ページ数もそんなに多くはないので、時間の空いた時に少しずつ読める、詩集のような自己啓発本。子供らしくユーモラスで他愛のない文章もあれば、胸を打つ真摯な文章もあるし、読者に意識のパラダイム・シフトを促す大胆な発想もある。凄い人です。最初に読んだ編集長は、さぞ驚いたに違いありません。

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