プレヴェールは、有名なシャンソン『枯葉』などの作詞家であり、ロングセラー詩集『ことばたち』の詩人であり、名作『天井桟敷の人々』『霧の波止場』『夜の門』などでフランス映画を代表する脚本家でもあり、ポール・グリモーのアニメ『王と鳥』『やぶにらみの暴君』の脚本も書いてるという、正に言葉の達人。本書は、スタジオジブリの高畑勲がプレヴェールの詩を自由に選び、奈良美智がイラストを付けたユニークな詩集。雑誌のような少し大きめのサイズに、肌理の粗いコミック雑誌みたいな紙質も独特です。詩集やシャンソンからセレクトされたプレヴェールの詩は、奈良美智の個性的なイラストと相まって不思議なムードを漂わせますが、基本的には自然や子供、社会的弱者に視線を向けた詩が多いようです。個人的には、詩という形式は難解すぎて普段はあまり読む習慣がありませんが、次のような印象なフレーズに出会うと、たまには詩集を読むのもいいものだという気になりますね。 |