ミッフィーちゃんのシリーズのみならず、何十冊にも及ぶ子供向けの絵本を描いてきたブルーナですが、この本は、“死”という概念を真正面から扱った事で、その内容の素晴らしさ共々、大変に高く評価されたものです。おばあちゃんの死を悲しむミッフィーは、葬儀やお墓参りを体験し、おばあちゃんの存在を再び身近に感じるようになる事で、悲しみを乗り越えてゆく。哀切な内容ではあっても、ブルーナの視点は優しく、温かく、常に前を向いて生きてゆこうという希望に満ちています。私は、何度読んでも泣けてしょうがないのですが、なぜ泣けるのかをいくら考えても、うまく説明できないのが不思議な所です。日本語訳の美しくて柔らかい文章が素敵です。 |