ユリア・ゴシュケ
Julia Goschke
* 作家紹介
1973年、ドイツのハンブルク生まれ。00年、デザインとレイアウトの専門単科大学をイラストレーターの学位で卒業。その後はフリーランスで依頼を受けながら、広告代理店や出版社でのグラフィック・アートの描いている。
油彩のようなこってりとしたタッチ、濃厚で美しい色彩、細かい線を重ねて写実的な立体感を出しながら、適度にユーモアのセンスを盛り込む手法など、同じドイツ出身のミヒャエル・ゾーヴァの衣鉢を継ぐような画風です。特に動物のキャラクターは、体の動きや目の表情が人間的で、ともすれば暗く、落ち着いた印象になりがちな背景に、実にユーモラスな明るさを与えています。
* おすすめ
『ラングリーのみみ』 (2006年、スイス)
作・絵:ユリア・ゴシュケ 訳:徳永玲子
ポプラ社・2007年
長い耳を持つ犬のラングリーが、コンプレックスを克服するお話。身体的な特徴は長所でもあって、それは個性なんだよという、絵本によくある寓話です。鮮やかな色彩と精緻な線で描かれたイラストが美しく、お話よりもイラスト集として眺めてしまいます。立体感があって写実的な画風ですが、動物達の動作や、特に目の表情が人間っぽいのが特徴。小さなカタツムリにまでギョロ目が付いています。ホタルが飛び交う夜の森など、幻想的なセンスもあり。
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