オーレ・エクセル

Olle Eksell

* 作家紹介

 1918年、スウェーデンのダーラナ地方生まれ。北欧を代表するグラフィック・デザイナー、イラストレーターの一人。お菓子メーカー・マゼッティのデザイン・ワークをはじめ、本の装丁や企業ロゴ、広告、パッケージ・デザインなど自身のイラストを生かしたデザインを数多く残した。アメリカや日本でも仕事得をしており、そのセンスとユーモアにファンは多い。2007年没。

* おすすめ

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『エドワードとうま』 (1961年、アメリカ)

 作:アン・ランド  絵:オーレ・エクセル

 訳:谷川俊太郎

 岩波書店・2015年

 ペット禁止の高層マンションに住む少年エドワードは、都会が好きで自らお金を稼ぐ馬を家に連れて来るが、マンションは大騒ぎになる。作者のアン・ランドはシカゴ郊外出身の児童文学者ですが、この人も建築家ファン・デル・ローエの元で学んでいます。エクセルの絵本が日本に紹介されるのは本書が初だそうで、「グラフィックデザインの巨匠が描いた幻の絵本」と謳われていますが、他に絵本の著作があるのかどうかは不明です。

 北欧デザインが好きな人にはたまらない絵本。とにかく、垢抜けたおしゃれなデザイン・センスが素晴らしいです。古いアメリカの絵本にはありがちですが、色が制限されていて、モノクロの中に部分的に彩色されるスタイル。ただ、時々ページ全体がピンクや緑に塗りつぶされていたりします。シンプルで繊細な線で描かれた可愛いキャラクターも素敵。同じく北欧デザインの巨匠である、スティグ・リンドベリの絵本ともタッチに共通点があります。

『オーレ・エクセル swedish graphic designer』 

 ピエ・ブックス・2006年 

 本書は絵本ではありませんが、エクセル死去の前年に日本で出版された、彼のデザイン・ワークを俯瞰する充実した本。ハードカバーではないものの、厚みは結構なものです。マゼッティで2年間担当したデザインの他、本や雑誌の装丁、イラスト、ポスターやカード、雑貨、プライベート・ワークまで、ほぼオールカラーで紹介しています。いかにも北欧デザインという、日本人好みのおしゃれで可愛い作風が多いので、眺めているだけでも楽しい本。

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