『エドワードとうま』 (1961年、アメリカ) |
作:アン・ランド 絵:オーレ・エクセル |
訳:谷川俊太郎 |
岩波書店・2015年 |
ペット禁止の高層マンションに住む少年エドワードは、都会が好きで自らお金を稼ぐ馬を家に連れて来るが、マンションは大騒ぎになる。作者のアン・ランドはシカゴ郊外出身の児童文学者ですが、この人も建築家ファン・デル・ローエの元で学んでいます。エクセルの絵本が日本に紹介されるのは本書が初だそうで、「グラフィックデザインの巨匠が描いた幻の絵本」と謳われていますが、他に絵本の著作があるのかどうかは不明です。 |
北欧デザインが好きな人にはたまらない絵本。とにかく、垢抜けたおしゃれなデザイン・センスが素晴らしいです。古いアメリカの絵本にはありがちですが、色が制限されていて、モノクロの中に部分的に彩色されるスタイル。ただ、時々ページ全体がピンクや緑に塗りつぶされていたりします。シンプルで繊細な線で描かれた可愛いキャラクターも素敵。同じく北欧デザインの巨匠である、スティグ・リンドベリの絵本ともタッチに共通点があります。 |
|
|
|
『オーレ・エクセル swedish graphic designer』 |
ピエ・ブックス・2006年 |
本書は絵本ではありませんが、エクセル死去の前年に日本で出版された、彼のデザイン・ワークを俯瞰する充実した本。ハードカバーではないものの、厚みは結構なものです。マゼッティで2年間担当したデザインの他、本や雑誌の装丁、イラスト、ポスターやカード、雑貨、プライベート・ワークまで、ほぼオールカラーで紹介しています。いかにも北欧デザインという、日本人好みのおしゃれで可愛い作風が多いので、眺めているだけでも楽しい本。 |
|
|
|
|
|