酒井 駒子

Komako Sakai

* 作家紹介

 1966年、兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。

 本屋さんの絵本コーナーに行くと必ず目に入るほどの超人気イラストレーター。明快な色彩と線を使った比較的ポップな初期作から、後には対照的な世界、静謐で神秘的、時に恐ろしさも感じさせる独特のタッチへと変遷しています。しかし世間に大きく知られているのは後者の画風で、今では小説の表紙や挿絵にもよくイラストを提供しています。

* 作品

『リコちゃんのおうち』

『よるくま』

『はんなちゃんがめをさましたら』

『赤い蝋燭と人魚』 (以上、偕成社)

『よるくま クリスマスのまえのよる』

『ロンパーちゃんとふうせん』 (以上、白泉社)

『くさはら』

『こりゃ まてまて』 (以上、福音館書店)

『しろうさぎとりんごの木』

『ぼく、おかあさんのこと…』 (以上、文渓堂)

『きつねのかみさま』 (白泉社)

『まばたき』 (岩崎書店)

『ヨクネルとひな』 (ブロンズ新社)

『ゆきがやんだら』 (学研プラス)

 他

* おすすめ

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『金曜日の砂糖ちゃん』 (偕成社・2003年)

 作・絵:酒井駒子

 2005年、第20回ブラティスラヴァ世界絵本原画展で金牌を受賞した、作者の代表作の一つ。ミニ・サイズの本に、表題作の他「草原のオルガン」「夜と夜のあいだに」と3つの短編が入った、とても美しい作品です。言葉は少なく、時には絵と同様、少し謎めいていたりもしますが、それが独特の読後感をもたらします。詩画集という見方ができなくもない、珠玉の一冊。

『こうちゃん KO-CIAN』 (河出書房新社・2004年)

 作:須賀敦子  絵:酒井駒子

 読書好きの間で人気の高いイタリア文学翻訳者/エッセイスト、故・須賀敦子が残した唯一の短編小説にイラストを付けた本。日本語表現を追求してきた著者だけあって、詩的な文章の美しさに得難い魅力がありますが、内容は謎めいていて一筋縄ではいきません。この文章にイラストを付けるなら、確かに酒井駒子はぴったりの人選という気がします。これも小さなサイズの本です。

『くまとやまねこ』 (理論社・2004年)

 作:湯本香樹実  絵:酒井駒子

 最愛のことりを亡くし、暗く閉め切った部屋に閉じこもっていたくまが、新しい友人と出会って癒されてゆく。喪失と再生を描いた感動の絵本です。基本的に全ページがモノクロですが、くまが心を開いてゆく後半でところどころにピンクが彩色される手法も効果的。芥川賞作家の湯本香樹実が書いた物語と相乗効果で味わえる、素晴らしい本です。

『ビロードのうさぎ』 (ブロンズ新社・2007年)

 作:マージェリィ・W・ビアンコ  絵・抄訳:酒井駒子

 ぬいぐるみのうさぎの視点から描いた、持ち主のぼうやとのお話。可愛らしい児童文学という感じのシトーリーですが、重厚で抽象性の強い酒井駒子の絵が付くと、何やらお話以上の奥行きが感じられてくるのが不思議です。

『BとIとRとD』 (白泉社・2009年)

 作・絵:酒井駒子

 絵本雑誌『MOE』の連載を再構成した本。ショートショートの短いお話みたいな文章と、イラストがセットになっています。画風は相変わらずですが、分厚い表紙と函入りの装丁など、本としての佇まいが美しい逸品。小さなサイズなので、プレゼントにもお薦めです。 

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