よしざわけいこ
* 作家紹介
1962年、東京生まれ。多摩美術大学染織デザイン科卒業。テキスタイル・デザイナーを経て、現在は主に挿絵の仕事を行う。85年、KFSアートコンテスト特別賞受賞。01年、初の絵本作品『ライオンは そよかぜの なかで』は、ブラティスラヴァ世界絵本原画展に出品。下記の通り、日本人離れしたセンスが窺える秀逸な絵本ですが、後の作品では少しスタイルが変わっていくように思います。なぜか多くの作品が入手困難なのも残念。
* 作品
『みみずくさんのすてきないす』
『くまのこ・きょねんのき』
『みにくいあひるのこ』 (以上、ひさかたチャイルド)
『さくらのよる』 (ひかりのくに)
『ねこのジュピター』 (学習研究社)
『ひにとびこんだうさぎ』 (鈴木出版)
『コウラケットバシステタカメ』 (フレーベル館)
他
* おすすめ
『らいおんは そよかぜの なかで』
(2000年、ひさかたチャイルド)
作・絵:よしざわけいこ
サファリパークのバスを運転するおじさんも手を焼く、荒くれ者のライオン。しかし、おじさんが植えた柳の木がライオンの心を癒し、おじさんとの別れの時、その柳が歌い出す。ストーリーも素晴らしいですが、ヨーロッパの絵本を思わせる画風に注目。特に陰影豊かな色彩センスが美しく、登場人物の心理とも細やかにリンクしています。著者がこの画風を継続しなかったのは残念。
『なみだあめ』 (2010年、岩崎書店)
作:みおちづる 絵:よしざわけいこ
涙を集めて飴を作る小人たちのお話。柔らかな輪郭とカラフルな色彩、可愛らしいデザインが楽しめますが、『らいおんは そよかぜの なかで』とは画風が違います。時にいかにも日本の絵本らしいタッチに傾いたりしますが、何といっても時折色が抜けて線だけになる小人達と、なみだあめが可愛いです。
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