『そらべあ』 (2006年、ソニー・マガジンズ) |
作:NPO法人エコロジーオンライン 絵:かとうしんじ |
アザラシが出会ったホッキョクグマの兄弟“そら”と“べあ”は、悲しそうに涙を流していました。地面の氷が割れ、お母さんグマとはぐれてしまったのです。物語の背景で地球温暖化の影響を示唆した絵本。その教育、募金活動を行うのが「そらべあ基金」で、本書はそのシンボルキャラクターを物語にした作品です。彼らがお母さんを探す冒険は、『そらべあ はじめての だいぼうけん』で描かれています。 |
今では入手困難なのが残念ですが、本書の売上げの一部はNPO法人エコロジーオンラインを通してソーラー発電の建設費用や、地球温暖化防止、再生可能エネルギー利用拡大のために活用されました。平仮名の「かとうしんじ」名義で発表。 |
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『いつか、会いにいくよ』 (2008年、講談社) |
作・絵:Shinzi Katoh |
街のゴミ箱に捨てられていたぬいぐるみ達を、見るに見かねて拾った女の子の奮闘記。著者の本にはいつも、胸を締め付けられるような優しさと芯の強いメッセージを感じますが、本書もそうです。「可愛い」イラストで人を集めて大切な事を言う、愛に溢れた絵本。もちろん、フランス風のカラフルでおしゃれな画風も素晴らしいです。 |
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『あらしのよるの ばんごはん』 (2008年、ポプラ社) |
作:長崎夏海 絵:Shinzi Katoh |
こちらは絵本ではなく児童書。文章が中心ですが、モノクロがメインとはいえほぼ全てのページにイラストが入っているので、当欄で取り上げました。南の島に引越した少女にとって、周囲は「はじめて」と「びっくり」でいっぱい。だけど初めての晩ご飯の時、外に大嵐がやってきて・・・。 |
グラフィカルでシンプルなイラストが著者らしくて可愛いですが、時々挟まれるカラーのページにも卓越した色彩センスが溢れます。字は大きくてルビも振ってあり、「低学年向け」となっています。 |
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『そらべあ はじめての だいぼうけん』 (2014年、岩崎書店) |
作・絵:Shinzi Katoh |
『そらべあ』の後日譚。白が中心の北極の世界を描きつつ、最初と最後に緑の草原を描く美しい色彩設計も秀逸です。彼らが出会う動物達はアザラシやクジラの他、ジャコウウシ、キョクアジサシと、けっこう具体的な名称で書かれていたりしますが、可愛くも素敵な絵と文章の中にそっと忍ばせてあるのが、地球温暖化の問題です。 |
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『あかずきんちゃん』 (2018年、出版ワークス) |
絵:カトウシンジ |
絵本では定番の童話ですが、独自にアレンジされた語り口で、特に後半のハートウォーミングな展開は、オリジナルとは全く違います。過去にポスターなどでよく赤ずきんをモチーフにしている著者ですが、既存のイラストは使っていない様子。 |
キュートかつポップなイラストが魅力で、左右のページであかずきんとオオカミの立場を描き分け、文章のフォントも変えるなど、工夫に富んだ構成もユニーク。おばあちゃんや村の人々など、大人達をモノクロっぽいリアルなタッチで描いているのは、コラージュ風のタッチにも感じられます。 |
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