リドリー・スコットの映画を支えるキャスト達

 複数のスコット作品に参加している人々を追ってみましょう

ハーヴェイ・カイテル

 『デュエリスト/決闘者』『テルマ&ルイーズ』

 マーティン・スコセッシ監督のデビュー作『ドアをノックするのは誰?』以降、『ミーン・ストリート』『アリスの恋』『タクシー・ドライバー』『最後の誘惑』とスコセッシ作品に連続出演。強面のイメージながら猛烈な読書家だそうで、ジェーン・カンピオン監督『ピアノ・レッスン』、ダリオ・アルジェント監督『マスターズ・オブ・ホラー』、テオ・アンゲロプロス監督『ユリシーズの瞳』など、意外な映画にも出演しています。近年は『グランド・ブダペスト・ホテル』『犬ヶ島』とウェス・アンダーソン作品にも参加。

 「俺が軽騎兵役?」と難色を示したカイテルを、スコットが説き伏せて『デュエリスト/決闘者』への出演となりました。一方的な執念で決闘相手を追い続ける役柄は彼らしいですが、主人公2人へ共感を持ち続ける『テルマ&ルイーズ』の刑事役は、彼のキャリアで初の善人役だったそうです。スコット・フリー製作の『ゆかいな天使/トラブるモンキー』にも出演。

アルバート・フィニー

 『デュエリスト/決闘者』『プロヴァンスの贈りもの』

 ポアロ探偵を演じた『オリエント急行殺人事件』、『トム・ジョーンズの華麗な冒険』『いつも2人で』『アニー』『ドレッサー』『火山のもとで』『ミラーズ・クロッシング』から、『エリン・ブロコビッチ』『トラフィック』『オーシャンズ12』のスティーヴン・ソダーバーグ、『ビッグ・フィッシュ』『コープス・ブライド』のティム・バートンなど、幅広い作風の監督と仕事をしているベテラン。

 友人だった出演者ダイアナ・クイックの仲介で、『デュエリスト/決闘者』にキャスティング。権謀術数の権化フーシェを演じました。『プロヴァンスの贈りもの』では主人公マックスの叔父ヘンリーを演じ、断片的な回想シーンの中に強い存在感を放っています。スコット製作の『明日に向かって…』にも出演。

シガーニー・ウィーヴァー

 『エイリアン』『1492 コロンブス』『エクソダス:神と王』

 まだ舞台経験しかなく、ウディ・アレン監督の『アニー・ホール』でラスト近くに少し出ただけだった彼女は『エイリアン』の主役に抜擢され、以後シリーズの顔となりました。リプリーのイメージは強烈ですが、他にも『ゴーストバスターズ』『愛は霧のかなたに』『ワーキング・ガール』『デーヴ』『死と乙女』『ヴィレッジ』『怪物はささやく』など多彩な作品で活躍。『エイリアン2』のジェームズ・キャメロン監督とも、『アバター』で再度コラボしています。

 スコット作品では、『1492コロンブス』でイザベル女王、『エクソダス:神と王』でラムセスの母トゥーヤ役で出演。後者はモーゼ追放を強く促す存在感のある役でしたが、編集で出演シーンが減ってしまったのは残念でした。前者のイザベル女王の役も威厳に溢れ、彼女が衣装を着てセットに現れると、人々が自然に頭を下げたと伝えられます。

アーマンド・アサンテ

 『1492 コロンブス』『アメリカン・ギャングスター』

 デビュー作『ブルックリンの青春』で無名時代のシルヴェスター・スタローンと共演し、彼の推薦によって『パラダイス・アレイ』でも共演。『ジャッジ・ドレッド』でも同じ遺伝子を持つ役を演じるなど、スタローンと縁が深い人です。『探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!』の主演俳優で、タフ・ガイの役が多い印象。スコット作品では『1492コロンブス』で財務長官サンチェス、『アメリカン・ギャングスター』ではイタリア系マフィアのドンをふてぶてしく演じていてさすが。

ジェイソン・ベガー

 『テルマ&ルイーズ』『G.I.ジェーン』

 84年、TVシリーズ『First & Ten』でデビュー。人気シリーズ『メルローズ・プレイス』、『X-ファイル』『NYPD』などTVを中心に活躍。映画は他に『星に願いを』『モンキー・シャイン』など。『テルマ&ルイーズ』ではトランクに押し込められる州警役でしたが、銃を向けられて泣きだすのは彼自身のアイデアで、監督を大笑いさせたといいます。『G.I.ジェーン』では、デミ・ムーアの恋人ロイス役で出演。

ルシンダ・ジェニー

 『テルマ&ルイーズ』『G.I.ジェーン』

 経歴不詳。他に、『ペギー・スーの結婚』『レインマン』『リービング・ラスベガス』『奇蹟の輝き』『13デイズ』などに出演。『テルマ&ルイーズ』ではウェイトレスのレナ、『G.I.ジェーン』ではブロンデル役で出ています。

ブラッド・ピット

 『テルマ&ルイーズ』『悪の法則』

 無名時代に『テルマ&ルイーズ』へ出演。「誰もが断る」と監督が嘆いた汚れ役でしたが、ピットは脚本を読んで「これだ、ぜひこの役が欲しい」と自ら希望したそうで、凡人とは違うその感覚こそがスターの資質なのかもしれません。テルマの夫を挑発する場面では、相手役のクリストファー・マクドナルドに「演技じゃなくて、本当に殺してやると思った」と言わせたほど。

 大成した後にスコットとコラボした『悪の法則』では、裏社会の売人ウェストリーを演じ、視線の動きだけでぴりりとした緊迫感を表出する演技力で観客を圧倒。凄惨な場面展開も、話題を呼びました。

ジェリコ・イヴァネク

 『白い嵐』『ハンニバル』『ブラックホーク・ダウン』『最後の決闘裁判』

 1957年、スロヴェニアのリュブリャーナ生まれ。舞台で2度のトニー賞に輝いた実力派で、TVシリーズに関しては『アリー my Love』『ER緊急救命室』『X-ファイル』『24 -TWENTY FOUR-』をはじめ、およそ思いつく限りのヒット作に軒並み出演しています。

 映画では、『戦火の勇気』『フェイク』『シビル・アクション』『アルゴ』『ヒマラヤ杉に降る雪』『クライシス・オブ・アメリカ』『ザ・ホークス/ハワード・ヒューズを売った男』など多彩な作品に出演。ラース・フォン・トリアー監督とは、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ドッグヴィル』『マンダレイ』と何度もコラボしています。

 スコット作品では『白い嵐』でサンダース、『ハンニバル』ではヴァージャーの主治医コーデル、『ブラックホーク・ダウン』ではハレル役、『最後の決闘裁判』では高位聖職者と思しきル・コック役で出演。

ジャニーナ・ファシオ(スコット)

 『白い嵐』『G.I.ジェーン』『グラディエーター』『ハンニバル』『マッチスティック・メン』『キングダム・オブ・ヘブン』『プロヴァンスの贈りもの』『ワールド・オブ・ライズ』『ロビン・フッド』『プロメテウス』『悪の法則』『エクソダス:神と王』『ゲティ家の身代金』

  コスタリカ生まれ、ワシントン育ち。14歳でイタリアへ渡ってフィレンツェの大学で芸術とダンスを専攻。卒業後にプロのダンサーとなり、イタリア国立舞踏団、その後はコスタリカ国立舞踏団に所属。俳優に転じた後はイタリアで賞も受賞した後、本格的に映画製作の仕事を開始。初の長編映画プロデューサーとして『マッチスティック・メン』にクレジットされ、自身の製作会社カーラ・フィルムズを通してスコット・フリーと提携。『トリスタンとイゾルデ』など数作をプロデュース。

 何を隠そうスコットの彼女でもあり(2015年に結婚)、スコット作品のあちこちにチョイ役で顔を出しています。ちなみにエッセイストの高尾慶子は、スコット家で住み込み家政婦をしていた時の経験や、ファシオと大喧嘩してスコット家を出る事になった経緯を、著書『イギリス人はおかしい』『わたしのイギリス、あなたのニッポン』や、『マッチスティック・メン』の劇場パンフレットで触れています。

 彼女は『白い嵐』で数秒映るらしいのですが、私には確認できず。『G.I.ジェーン』では海辺の女性達の一人、『グラディエーター』ではマキシマスの妻、『ハンニバル』では指紋印刷スタッフ、『マッチスティック・メン』では銀行の出納係、『キングダム・オブ・ヘブン』ではサラディンの妹、『プロヴァンスの贈りもの』ではパーティの案内役、『ワールド・オブ・ライズ』ではホフマンの妻、『ロビン・フッド』では侍女、『プロメテウス』ではショウの母、『悪の法則』ではスマートフォンの女性、『エクソダス:神と王』ではツィポラの叔母。

 ラッセル・クロウと何度も共演し、妻の役を二度も演じているのが凄いです。『ゲティ家の身代金』ではオットー・ラムの助手という役名でクレジット、『ハウス・オブ・グッチ』は彼女の持ち込み企画で堂々と製作陣に名を連ねています。他のプロデュース作に『コンカッション』『ザ・シークレットマン』など。

ニコライ・コスター=ワルドー

 『ブラックホーク・ダウン』『キングダム・オブ・ヘブン』

 デンマーク出身、TVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のジェイミー・ラニスター役でレギュラー出演。『エニグマ』『ウィンブルドン』『ヘッドハンター』『オブリビオン』『MAMA』『おやすみなさいを言いたくて』『真夜中のゆりかご』『キング・オブ・エジプト』他、出演作多数。スコット作品では、『ブラックホーク・ダウン』で命掛けのミッションを志願するゴードン曹長、『キングダム・オブ・ヘブン』で村の保安官を演じています。

ユエン・ブレムナー

 『ブラックホーク・ダウン』『エクソダス:神と王』

 ダニー・ボイル監督『トレイン・スポッティング』のスパッド役で人気を博したスコットランドの俳優。ウディ・アレン監督作にも『マッチポイント』『恋のロンドン狂騒曲』と重用されています。他に『パール・ハーバー』『80デイズ』『エイリアンVS.プレデター』『スノーピアサー』『ワンダーウーマン』など。

 スコット作品では、『ブラックホーク・ダウン』の銃声で片耳が聴こえなくなるネルソン下士官、『エクソダス:神と王』で理屈ばかり並べる専門家を演じていて、常にとぼけた役柄でキャスティングされているのが面白い所。

デヴィッド・シューリス

 『キングダム・オブ・ヘブン』『ジョナサン』

 英国ブラックプール出身。マイク・リー監督『ネイキッド』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞して注目され、『太陽と月に背いて』『ドラゴンハート』『シャナンドライの恋』『セブン・イヤーズ・イン・チベット』『ビッグ・リボウスキ』『ニュー・ワールド』『戦火の馬』『ゼロの未来』『博士と彼女のセオリー』など、多彩な監督から声がかかる人気俳優。『ハリー・ポッター』シリーズのルーピン先生でも有名。スコット作品では、『キングダム・オブ・ヘブン』で司祭ホスピタラー、『ジョナサン』では主人公の戦場キャメラマンを演じています。

ヴェリボール・トピッチ

 『キングダム・オブ・ヘブン』『ロビン・フッド』『悪の法則』

 経歴不詳ですが、名前の表記やクロアチア映画への出演を見ると、そちらのご出身かと思われます。マッチョな風貌ゆえか、ひたすらハードな映画にばかり出ている人。『キングダム・オブ・ヘブン』『ワールド・オブ・ライズ』の脚本家ウィリアム・モナハンの監督デビュー作『ロンドン・ブルバード/LAST BODYGUARD』、フランス映画『友よ、さらばと言おう』、ジョン・ル・カレ原作のスパイ物『われらが背きし者』、『ジャン・クロード・ヴァン・ダム ザ・コマンダー』、クロアチア映画『沈黙の戦場』、英国のホラー・アクション『ヒトラー最終兵器』など、ひたすらシリアス。

 スコット作品では、『キングダム・オブ・ヘブン』で主人公の忠臣アマルリック、『ロビン・フッド』ではヴェルヴェデーレ、『悪の法則』ではセダンの男役で出演しています。

ハッサン・マスード

 『キングダム・オブ・ヘブン』『エクソダス:神と王』

 シリア映画界のスター。母国で多数の作品に出演している他、02年にはアラブ社会の指導者達が抱える問題をテーマに風刺劇の演出、脚本を手掛け、シリア文化省のナショナル・シアターで上演されています。スコット作品では『キングダム・オブ・ヘブン』でサラディンを演じて強い存在感を示し、『エクソダス:神と王』ではエジプトの大宰相役で出演。

マートン・ソーカス

 『キングダム・オブ・ヘブン』『最後の決闘裁判』

 ニュージーランド出身。同郷のピーター・ジャクソン監督作『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでケレボルンを演じる。他に『トリプルX』『タイムライン』『ボーン・スプレマシー』『イーオン・フラックス』『アリス・イン・ワンダーランド』『リンカーン/秘密の書』『アメイジング・スパイダーマン2』『シン・シティ/復讐の女神』など。

 『キングダム・オブ・ヘブン』では悪役ギー・ド・リュニジャン、『最後の決闘裁判』ではクレスパンを演じる。 

ジェレミー・アイアンズ

 『キングダム・オブ・ヘブン』『ハウス・オブ・グッチ』

 イギリス、ワイト島生まれ。ブリストルの劇団に所属後、ロンドンに移って舞台、TV等で活躍。『運命の逆転』でアカデミー最優秀主演男優賞を受賞。他に『スワンの恋』『ミッション』『ダメージ』『愛と精霊の家』『魅せられて』『ロリータ』『インランド・エンパイア』『バットマンvsスーパーマン/ジャスティスの誕生』『ジャスティス・リーグ』など。

 『キングダム・オブ・ヘブン』では王の顧問ティベリアス卿、『ハウス・オブ・グッチ』ではロドルフォ・グッチを演じる。

ラッセル・クロウ

 『グラディエーター』『プロヴァンスの贈りもの』『アメリカン・ギャングスター』『ワールド・オブ・ライズ』『ロビン・フッド』

 オーストラリアのスター。シャロン・ストーンの勧めでサム・ライミ監督『クック&デッド』に出演して、ハリウッドに進出。『L.A.コンフィデンシャル』で高い評価を受け、『インサイダー』でアカデミー賞候補、『グラディエーター』で主演男優賞を受賞しました。『ビューティフル・マインド』でもノミネート。

 スコットとは5作でコラボしていますが、どれも主役かダブル主役。『グラディエーター』のイメージが強く、しばらくは何をやっても比較されたといいますが、他の役柄もみなイメージが違っていて見事です。垢抜けた感じではないので、嫌いだと書いているレビュアーも多いですが、スコット好みの抑制された芝居の中に激しい感情を秘めた表現は卓抜。身体能力がスポーツ選手並みに高く、低いバリトン(というよりバス)・ヴォイスのおかげで、セリフにも強い説得力があります。

レイフ・スポール

 『プロヴァンスの贈りもの』『プロメテウス』

 個性派俳優ティモシー・スポールの息子である、英国の俳優。スピルバーグの『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』でもユーモラスな存在感を発揮しています。『プロヴァンスの贈りもの』では野心家の証券トレーダー、『プロメテウス』では惨劇に見舞われる乗組員の一人で出演。

イドリス・エルバ

 『アメリカン・ギャングスター』『プロメテウス』

 アメコミやファミリー・アニメの声優が多いので、ハリウッド・スターのイメージがありますが、実は英国ロンドンの出身。芦田愛菜や菊池凛子と共演した『パシフィック・リム』の厳格な隊長役は鮮烈でした。実話物『マンデラ/自由への長い道』ではネルソン・マンデラ、スティーヴン・キング原作『ダークタワー』ではガンスリンガーのローランドと、話題作の主役もあり。

 他の出演作に、『戦争のはじめかた』『28週後・・・』『マイティ・ソー』『マイティ・ソー/ダークワールド』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『ジャングル・ブック』『ファインディング・ドリー』『ズートピア』『スター・トレックBEYOND』など。スコット作品では、『アメリカン・ギャングスター』で調子に乗って射殺されるタンゴ、『プロメテウス』では乗組員ヤネック役で出演。

キウェテル・イジョフォー

 『アメリカン・ギャングスター』『オデッセイ』

 英国出身で、ロンドン・アカデミー音楽演劇学院に学んだ正当派。スピルバーグの『アミスタッド』で通訳の青年を演じて映画デビューし、高潔な不法滞在ナイジェリア人を演じた『堕天使のパスポート』では、数々の映画賞に輝いてブレイク。以後、『ラブ・アクチュアリー』『メリンダとメリンダ』『ダウト』『インサイド・マン』『トゥモロー・ワールド』『2012』など、大物監督やスターと続々仕事をしている売れっ子です。『それでも夜は明ける』でアカデミー主演男優賞ノミネート。

 スコット作品では、『アメリカン・ギャングスター』でフランクの弟ヒューイ、『オデッセイ』では火星計画の責任者カプーア博士を演じています。

オスカー・アイザック

 『ワールド・オブ・ライズ』『ロビン・フッド』

 グアテマラ共和国出身。他に、『チェ/39歳別れの手紙』『マリア』『ドライヴ』『ボーン・レガシー』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『X-MEN:アポカリプス』など話題作多数。『ワールド・オブ・ライズ』ではフェリスの相棒バッサーム、『ロビン・フッド』では新王ジョンを演じています。

マーク・ストロング

 『ワールド・オブ・ライズ』『ロビン・フッド』

 インパクトの強い風貌ゆえ悪役が多いイングランドの俳優。TVのミニ・シリーズでダニエル・クレイグと共にブレイクし、英国ではお馴染みの顔です。他に『リボルバー』『オリバー・ツイスト』『シリアナ』『サンシャイン2057』『キック・アス』『ジョン・カーター』『ゼロ・ダーク・サーティ』などに出演。

 『ワールド・オブ・ライズ』ではヨルダン情報局の長官ハニ・ハラームを演じ、高級スーツを着こなし、常に知的で穏やかな物腰を崩さない彼の演技は、ディカプリオをはじめ共演者からも「格好良い」と絶賛されました。一転『ロビン・フッド』では、スキンヘッドで頬に傷のある悪役ゴドフリーを怪演。スコット兄弟が製作した『トリスタンとイゾルデ』にも出演。

サイモン・マクバーニー

 『ワールド・オブ・ライズ』『ロビン・フッド』

 英国の著名な劇作家、演出家。劇団コンプリシテの共同創設者、芸術監督で、故・蜷川幸雄と対談したりもしてました。映画『Mr.ビーン/カンヌで大迷惑』で原案と製作総指揮を手掛けるという、意外な一面もあります。スコット作品は、『ワールド・オブ・ライズ』で一匹狼のCIA局員ガーランド、『ロビン・フッド』のタンクレッド神父役で出演。

 映画俳優としては、映画史上の伝説的監督を演じた『エイゼンシュタイン』、『クライシス・オブ・アメリカ』『ラストキング・オブ・スコットランド』『ライラの冒険/黄金の羅針盤』『ハリー・ポッターと死の秘宝』『裏切りのサーカス』『ジェーン・エア』『博士と彼女のセオリー』『マジック・イン・ムーンライト』『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『マリアンヌ』など、話題作ばかりに出演。

ゴルシフテ・ファラハニ

 『ワールド・オブ・ライズ』『エクソダス:神と王』

 テヘラン出身、イランで最も有名な女優の一人。『ワールド・オブ・ライズ』でフェリスと恋に落ちる看護師を演じましたが、イラン人俳優がアメリカ映画に出るのは恐らく初。米国はイランとの通商を禁止しているので特別な許可が必要だった上、撮影地のモロッコもイランとの関係が良くないので、やはり労働許可を取らなければならなかったそうです。そういった障害を乗り越え、『エクソダス:神と王』にも出演。ラムセスの妻ネフェルタリを演じています。

マイケル・ファスベンダー

 『プロメテウス』『悪の法則』『エイリアン:コヴェナント』

 ドイツのハイデルベルク生まれ、アイルランド育ち。父がドイツ人、母が北アイルランド出身です。TVシリーズ『バンド・オブ・ブラザース』に出演後、『300〈スリーハンドレッド〉』で映画デビュー。数々の映画賞に輝いた『HUNGER/ハンガー』と『フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語』で注目され、『イングロリアス・バスターズ』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』で主要キャラクター、『SHAME/シェイム』でヴェネチア国際映画祭男優賞受賞。他に『ジェーン・エア』『危険なメソッド』『それでも夜は明ける』『スティーブ・ジョブズ』など。

 スコット作品では、『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』のアンドロイドのデヴィッド/ウォルターの一人二役で驚異的な演技力を披露。『悪の法則』では主役のカウンセラーを演じ、セレブらしい佇まいと人間的な脆さの両面を表現。スコットや共演者から、「何でも出来る俳優」と絶賛されています。

ベネディクト・ウォン

 『プロメテウス』『オデッセイ』

 英国、マンチェスター出身。90年代に数多くのTVシリーズに出演し、『堕天使のパスポート』で注目される。他に『スパイ・ゲーム』『サンシャイン2057』『シャンハイ』『月に囚われた男』『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』など。スコット作品では、『プロメテウス』で乗組員ラヴェル、『オデッセイ』で宇宙船製作チームのリーダーで出演。

アダム・ドライヴァー

 『最後の決闘裁判』『ハウス・オブ・グッチ』

 サンディエゴ生まれ。アメリカ同時多発テロをきっかけに米海兵隊に入隊後、ジュリアード音楽院で演劇を学んだという異色の経歴の持ち主。『ブラック・クランズマン』『マリッジ・ストーリー』で2年連続アカデミー賞にノミネート。15年からの『スター・ウォーズ』新シリーズで演じたカイロ・レン役が世界的に有名。他に、『J・エドガー』『フランシス・ハ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』『沈黙 - サイレンス -』『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』など。

 経歴も凄いですが、名匠スコットに2作連続で主役級のキャストに抜擢されている事からも、この人物の凄みはなんとなく伝わります。スコセッシやギリアムなど、癖の強い監督の作品にメインどころでキャスティングされているのも凄い所。

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