ハッピーフィート2/踊るペンギンレスキュー隊

Happy Feet Two

2011年、アメリカ (100分)

 監督:ジョージ・ミラー

 共同監督:ゲイリー・エック、デヴィッド・ピアース

 製作総指揮:クリス・デファリア、フィリップ・ハーンショー

       グラハム・バーク、ブルース・バーマン

 製作:ダグ・ミッチェル、ジョージ・ミラー、ビル・ミラー

 共同製作:マーティン・ウッド

 脚本:ジョージ・ミラー、ゲイリー・エック

    ウォーレン・コールマン、ポール・リヴィングストン

 プロダクション・デザイナー、美術監督:デヴィッド・ネルソン

 編集:クリスティアン・ガザル、マーガレット・シクセル(ドラマツルグ)

 音楽:ジョン・パウエル

 アニメーション監督:ロブ・コールマン

 シネマトグラファー・キャメラ:デヴィッド・ピアース

 シネマトグラファー・ライティング:デヴィッド・デュラク

 セット・デザイナー:マーク・セクストン

 3Dライヴ・アクション第1助監督:P・J・ヴォーテン

 3Dライヴ・アクション・プロダクション・デザイナー:コリン・ギブソン

 3Dライヴ・アクション・スタント・コーディネーター:ガイ・ノリス 

 UPM/ポスト・プロダクション監修:マーティン・ウッド

 音響編集/音響デザイン監修:ウェイン・パシュリー

 声の出演:イライジャ・ウッド  ロビン・ウィリアムズ

      ハンク・アザリア  アレシア・ムーア(P!NK)

      ブラッド・ピット  マット・デイモン

      ソフィア・ヴェルガラ  アンソニー・ラパグリア

      ヒューゴ・ウィーヴィング   コモン

      マグダ・ズバンスキー  リチャード・カーター

      ベンジャミン・“リル・ピーナッツ”・フローレス,Jr

      E・G・デイリー

* ストーリー

 タップダンスの達人マンブルの息子エリックは、踊りができずに悩んでいた。自分の居場所が見つけられないエリックは、とうとう家出をしてしまう。空を飛べる不思議なペンギン、スヴェンと出会い、人生の手本にしようとするエリックだったが、マンブルは思い通りにならない息子に苛立ちを募らせる。

* コメント

 アカデミー賞に輝いた『ハッピー・フィート』から5年を経ての続編で3D。主人公マンブルは大人になり、前作でヒュー・ジャックマンとニコール・キッドマンが演じた両親は登場しない代わり、自身が親になって子供を育てています。さらに新しいキャラクターとして、サイド・ストーリーでブラッド・ピットとマット・デイモンによるオキアミの兄弟が登場。

 今回もジャネット・ジャクソンの“リズム・ネイション”を使ってミュージカル風の導入。通常の起承転結に則らず、いつの間にかスタートしているような始まり方です。ハリウッドのイディオムに慣れた観客だと、最初は取っ掛かりを掴みにくいかもしれません。

 今回は人間も活躍するので実写場面も増えていますが、第1作と同様、モノクロ画面にパートカラーという手法が、なんとも不思議な効果を挙げています。大自然の雄大な描写はやや後退した感じですが、クラゲやクジラなど新たな生物も登場しますし、雪崩、地割れ、吹雪と嵐など、自然の猛威はまた別の視点から大きくフィーチャーされます。

 自我に目覚めたオキアミのやり取りは極度に哲学的で、古今の名言や思想をミックスしたパロディの様相。彼らの物語はまた、作家リチャード・バックの『イリュージョン』中のエピソードを想起させ、その寓意も共通です。海から空へ、そして宇宙、星雲から海中のオキアミの群れ、そしてウィルという映像の流れは、マキシマムからミニマムへ繋ぐ映像的ダイナミズムの極致。これは又、極小の世界の中に広大な宇宙があるという、科学的な視点に繋がっています。

 音楽も前作のスタイルを踏襲し、ポップ・ソングの数々をジョン・パウエルのオーケストラが統括。クイーンの“ウィー・アー・ザ・チャンピオン”や“ローハイド”など、映画では定番のポピュラーな曲も使われています。又、エリックがブライアンに協力を訴える場面では、プッチーニの歌劇《トスカ》の有名なアリアが使われ、声優の熱唱に耳を奪われます。

* スタッフ

 製作陣は前作とほぼ共通ですが、共同監督の2人は交替しました。1人は前作でレイアウト監督を担当したアニマル・ロジック社のデヴィッド・ピアース、もう1人はスタンダップ・コメディアン/俳優で脚本家のゲイリー・エック。

 脚本執筆に加わったポール・リヴィングストンも、自身で創作したコミックキャラクター、フラッコで知られる作家・俳優で、彼は『ベイブ/都会へ行く』にも出演者として参加しています。振付師は前作のケイト・ウォーマルド、セヴィアン・グローヴァーの他、ブリトニー・スピアーズ等を担当するウェイド・ロブソン、現代タップのショーで世界中にタップダンス革命を起こしているデイン・ペリーが参加。

 アニメーション監督は、『スター・ウォーズ』新シリーズでルーカス・フィルムと仕事をしているロブ・コールマン。プロダクション・デザインは前作で美術を監修したデヴィッド・ネルソンが担当し、前作のマーク・セクストンはセット・デザインに回っています。編集のクリスティアン・ガザルとマーガレット・シクセル、音響デザインのウェイン・パシュリー、音楽のジョン・パウエルも続投。

 実写の場面では美術をコリン・ギブソン、助監督をP・J・ヴォーテン、スタント・コーディネーターをガイ・ノリスが担当するなど、ミラー組スタッフが集結しています。

* キャスト

 前作からのキャストはイライジャ・ウッド、ロビン・ウィリアムズ、アンソニー・ラパグリア、ヒューゴ・ウィーヴィング、マグダ・ズバンスキー、リチャード・カーター、E・G・デイリー。

 マンブルの妻となったグロリアは、前作のブリタニー・マーフィーからP!NKのアレシア・ムーアに交替。空飛ぶペンギン族のスヴェンを『バードケージ』のハンク・アザリア、セクシー・ペンギンのカルメンを『ビッグ・トラブル』のソフィア・ヴェルガラ、マンブルの友達シーモアをヒップホップ歌手コモンが担当。ブラッド・ピットとマット・デイモンが声を入れた、オキアミの兄弟ウィルとビルも新しいキャラクターです。

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