ノーラ・エフロンの映画を支えるスタッフ、キャスト達

　複数のエフロン作品に参加している人々を追ってみましょう。

《プロデューサー》

リンダ・オブスト

　『ディス・イズ・マイ・ライフ』『めぐり逢えたら』

　ニューヨーク・タイムズ誌の編集者を経て映画プロデューサーとなった人。“The Rolling Stone History the Sixties”の著者として、音楽界でも有名。クリス・コロンバス監督『ベビーシッター・アドベンチャー』『ハートブレイク・ホテル』、テリー・ギリアム監督『フィッシャー・キング』は代表作。

　エフロンは７０年代の編集者時代から知り合いで、憧れの女性だったとの事。曰く、「母親になる事について書いた彼女のエッセイを編集しはじめたのが３７歳の時。お互い妊娠していて、働く母親の問題は私達にとって重大なテーマだった」

デリア・エフロン

　『ディス・イズ・マイ・ライフ』『奥さまは魔女』（以上、脚本）、『めぐり逢えたら』、『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』『マイケル』『ユー・ガット・メール』（以上、製作と脚本）

　ノーラの実妹。“How To Eat Like A Child”“Teenage Romance and Funny Sauce”など、エッセイ集もベストセラーになっている。ジャーナリストとしても活動し、ニューヨーク・タイムズ誌、エスクァイア誌にも寄稿している。自身のベストセラー小説を映画化した『電話で抱きしめて』（製作総指揮と脚本も担当）は、ニューヨーク・タイムズ誌等に絶賛された。

ジェームズ・W・スコッチドポール

　『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』『奥さまは魔女』

　マイク・ニコルズなど数々の名監督と仕事をしてきたベテラン。他に、『エネミー・オブ・アメリカ』『スパイ・ゲーム』『マイ・ボディガード』『ザ・ファン』『ジャンゴ／繋がれざる者』『バードマン／あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』『レヴェナント／蘇えりし者』など。

ドナルド・J・リー,Jr

　『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』（以上、第２助監督）、『マイケル』『ユー・ガット・メール』『ラッキーナンバー』『ジュリー＆ジュリア』

　他に『エリザベス・タウン』『バウンティー・ハンター』『グレイテスト・ショーマン』など。

G・マック・ブラウン

　『マイケル』『ユー・ガット・メール』『ラッキーナンバー』

　２０年以上映画界に携わるベテラン。他に、『セント・オブ・ウーマン／夢の香り』『きっと忘れない』『３人のエンジェル』『グロリア』『ザ・インタープリター』『ディパーテッド』『オーストラリア』『SOMEWHERE』『メン／イン・ブラック３』など。

ジョナサン・D・クレイン

　『マイケル』『ラッキーナンバー』

　他に、『ベイビー・トーク』『フェイス／オフ』『ソードフィッシュ』『閉ざされた森』など。

ショーン・ダニエル

　『マイケル』『ラッキーナンバー』

　他に、『ハード・ターゲット』『愛が微笑む時』『ハムナプトラ／失われた砂漠の都』『ギフト』『ジャカル』など。

ダイアン・ドライヤー

　『マイケル』『ユー・ガット・メール』『ラッキーナンバー』（スクリプト監修）、『ユー・ガット・メール』『奥さまは魔女』『ジュリー＆ジュリア』

　脚本監修の腕が買われ、後に製作も兼任。『ユー・ガット・メール』の特典映像でトム・ハンクスは、メグ・ライアンが待つカフェに入ってゆくシーンの理由が分からず、ドライヤーと４時間も議論したと語っています。「正体を明かすためよ」という彼女のひと言に納得したというハンクスに、横でエフロンが「さすがダイアン」と呟いたのが印象的でした。

J・J・サシャ

　『ユー・ガット・メール』『ラッキーナンバー』『奥さまは魔女』（エフロンの助手）、『ジュリー＆ジュリア』

《プロダクション・スーパーヴァイザー》

エリカ・ケイ

　『ラッキーナンバー』（ハリスバーグ・プロダクション・コーディネーター）、『奥さまは魔女』（ニューヨーク）、『ジュリー＆ジュリア』　

《撮影監督》

スヴェン・ニクヴィスト

　『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』　

　『処女の泉』『沈黙』から『ある結婚の風景』『ファニーとアレクサンドル』までスウェーデンの巨匠、イングマル・ベルイマン監督作を多く手掛けたベテラン。ベルイマン信者であるウディ・アレンが監督した『重罪と軽罪』はニクヴィストが撮影、そこにエフロンがチョイ役で出演していて、そこでの出会いが『めぐり逢えたら』に繋がっているとの事。

　同郷のラッセ・ハルストレム監督作『ギルバート・グレイプ』『愛に迷った時』の他、アンドレイ・タルコフスキーの『サクリファイス』、ルイ・マルの『ブラック・ムーン』『プリティ・ベイビー』、ロマン・ポランスキーの『テナント／恐怖を借りた男』など名監督達と組む。アメリカでも活躍し、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』『存在の耐えられない軽さ』『スター８０』『チャーリー』など話題作多数。ウディ・アレンとのコンビ作は、他にも『私の中のもう一人の私』『ニューヨーク・ストーリー』『セレブリティ』あり。

ジョン・リンドレー

　『マイケル』『ユー・ガット・メール』『ラッキーナンバー』『奥さまは魔女』

　ニューヨーク大学映画科を卒業後、TV業界でキャリアをスタート。トーキング・ヘッズのドキュメンタリー、MVなども手掛ける。映画では他に、『フィールド・オブ・ドリームス』『マネートレイン』『スニーカーズ』『花嫁のパパ』『愛がこわれるとき』『カラー・オブ・ハート』『トータル・フィアーズ』『ザ・コア』など。

《プロダクション・デザイナー》

ダン・デイヴィス

　『マイケル』『ユー・ガット・メール』『ラッキーナンバー』

　ニューヨークで建築家として仕事をした後、映画界に転身。他に、『月の輝く夜に』『カクテル』『運命の逆転』『二十日鼠と人間』『心の旅』『ノーバディーズ・フール』など。

《衣装デザイナー》

ジェフリー・カーランド

　『ディス・イズ・マイ・ライフ』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』

　ウディ・アレンと多くコラボし、『ブロードウェイのダニーローズ』『カイロの紫のバラ』『セプテンバー』『アリス』『ブロードウェイと銃弾』『世界中がアイ・ラヴ・ユー』を担当。他では、『インセプション』『トゥモローランド』『ミッション：インポッシブル／フォールアウト』など。

アルバート・ウォルスキー

　『ユー・ガット・メール』『ラッキーナンバー』

　『オール・ザット・ジャズ』『バグジー』でアカデミー賞受賞、『ソフィーの選択』『トイズ』でノミネート。他に、『愛と喝采の日々』『マンハッタン』『ペリカン文書』『ジュニア』『素顔のままで』『ジャッカル』など。

《ポスト・プロダクション監修》

ポール・A・レヴィン

　『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』『ラッキーナンバー』『ジュリー＆ジュリア』　

《編集》

ロバート・レイターノ

　『ディス・イズ・マイ・ライフ』『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』

アリサ・レプセルター

　『ディス・イズ・マイ・ライフ』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』（以上、第１編集助手）

　ゼロ年代以降のウディ・アレン作品を一手に引き受けているエディター。

リチャード・マークス

　『ユー・ガット・メール』『ジュリー＆ジュリア』　

　フランシス・フォード・コッポラの『雨のなかの女』の編集助手としてキャリアをスタート。『地獄の黙示録』『愛と追憶の日々』『ブロードキャスト・ニュース』『恋愛小説家』でアカデミー賞ノミネート。他に、『小さな巨人』『セルピコ』『ゴッドファーザーPART２』『ディック・トレイシー』『サンキュー、ボーイズ』『タイムライン』『近距離恋愛』など。

ティア・ノーラン

　『ユー・ガット・メール』（編集助手）、『奥さまは魔女』

　他に、『マリー・アントワネットの首飾り』『アザーズ』『ステイ・フレンズ』『ANNIE／アニー』など。第７４回アカデミー賞授賞式の編集も手掛けた。

《音楽》

カーリー・サイモン

　『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』（以上、挿入歌）、『ディス・イズ・マイ・ライフ』

　１９４５年、ニューヨーク生まれ。学生時代から妹とサイモン・シスターズとして歌い、７１年のデビュー・アルバム『カーリー・サイモン』からシングル“幸せのノクターン”“うつろな愛”が大ヒット。７２年にジェームズ・テイラーと結婚し、デュエット曲“愛のモッキンバード”やアルバム『ホットケーキ』もヒットするが、８２年に離婚。『００７／私を愛したスパイ』の主題歌も大ヒットする。

　映画音楽ではマイク・ニコルズ監督の『ワーキング・ガール』『心みだれて』も担当し、前者の主題歌“Let The River Run”はアカデミー主題歌賞を受賞。エフロンは自身が原作と脚本を書いた『心みだれて』で彼女の仕事ぶりに感心し、デビュー作には彼女以外の作曲家は考えられなかったとの事。

ジョージ・フェントン

　『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』『ユー・ガット・メール』『ラッキーナンバー』『奥さまは魔女』

　『ガンジー』『遠い夜明け』『危険な関係』『フィッシャー・キング』でアカデミー賞ノミネート。他に、『狼の血族』『メンフィス・ベル』『ぼくの美しい人だから』『永遠の愛に生きて』『英国万歳！』『カルラの歌』『ジキル＆ハイド』など。

ランディ・ニューマン

　『ユー・ガット・メール』（挿入歌）、『マイケル』

　１９４３年、ロスアンジェルス生まれ。１７歳の時からロスの音楽出版で曲を書き、UCLA卒業後、ミュージカル、映画音楽にも関わる。アメリカを代表するシンガー・ソングライター、ピアノ詩人として、愛憎半ばする複雑な心情を母国アメリカに寄せてきた人。心に沁みるメロディと、辛辣で含蓄のある詩は高く評価され、楽曲は多くの歌手にカバーされている。

　映画音楽は他に、『ナチュラル』『レナードの朝』『バックマン家の人々』『わが心のボルチモア』『カラー・オブ・ハート』など。『トイ・ストーリー』『カーズ』『モンスターズ・インク』の各シリーズなど、ピクサー・アニメでも大活躍。

《キャスト》

ギャビー・ホフマン

　『ディス・イズ・マイ・ライフ』『めぐり逢えたら』

　７歳の時に『フィールド・オブ・ドリームス』でデビュー。他に、『おじさんに気をつけろ』『顔のない天使』『Dearフレンズ』『世界中がアイ・rヴ・ユー』『ボルケーノ』『２００本のたばこ』など。親友は映画で共演したクリスティーナ・リッチ。『ディス・イズ・マイ・ライフ』では主人公の次女オパール、『めぐり逢えたら』ではジョナ少年のおませな友達ジェシカを演じる。

ヴィクター・ガーヴァー

　『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』

　１９４９年、カナダのロンドン生まれ。ミュージカル『Goodspell』でデビューし、７３年にその映画版にも出演。舞台を中心に活躍。『タイタニック』では設計士アンドリュースを演じた。『めぐり逢えたら』ではサムの親友グレッグ、　『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』では隣人の怒声で出演。

リタ・ウィルソン

　『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』

　高校では優秀な成績でチアリーダーもこなす。友人の付き添いで受けたTVシリーズ『Brady Bunch』のオーディションに合格し、TV初出演。在学中に映画デビュー、ニューヨークで舞台出演も行う。ロンドンの音楽・芸術院で学ぶように薦められ、超難関を突破して奨学生となる。帰国後、TVシリーズ『Bosom Buddies』でトム・ハンクスと出会い、８８年に結婚。

　他に、『虚栄のかがり火』など。『めぐり逢えたら』ではサムの友人スージー、『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』では主人公と恋に落ちる同僚の女性キャサリンを演じている。

ロブ・ライナー

　『めぐり逢えたら』『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』

　１９４５年、ニューヨーク生まれ。当コーナーでも紹介している、俳優出身の名監督。エフロンの脚本で『恋人たちの予感』を監督した。『めぐり逢えたら』ではサムの友人ジェイ、『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』では獣医師キンスキーで出演。

トム・ハンクス

　『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』

　言わずと知れたスター俳優。軽いタッチのコメディを得意としていたが、『フィラデルフィア』や『プライベート・ライアン』、『ブリッジ・オブ・スパイ』など重厚な映画も似合う名優となった。メグ・ライアンとは、スピルバーグ製作の『ジョー満月の島へ行く』でも共演している。

メグ・ライアン

　『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』

　エフロンが脚本を書き、ロブ・ライナーが監督した『恋人たちの予感』でブレイク。ロマンティック・コメディでの魅力は圧倒的だが、シリアスな作品であまり成功していない所が弱点。エフロン関連では『電話で抱きしめて』にも出演。

ビル・プルマン

　『めぐり逢えたら』『ラッキーナンバー』

　１９５３年、ニューヨーク生まれ。８６年『殺したい女』でデビュー。『偶然の旅行者』『あなたが寝てる間に…』で注目され、『インディペンデンス・デイ』では米国大統領を演じる。他に『シングルス』『ジャック・サマースビー』『プリティ・リーグ』『ロスト・ハイウェイ』『ワイアット・アープ』『キャスパー』など。『めぐり逢えたら』ではアニーの婚約者、『ラッキーナンバー』ではやる気のない警官で出演。

パーカー・ポージー

　『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』『ユー・ガット・メール』

　タイム誌に「インディーズの女王」と命名された、独立系映画に多数出演する女優。その後は『バスキア』『スクリーム３』『スーパーマン　リターンズ』『教授のおかしな妄想殺人』『カフェ・ソサエティ』などメジャー作の出演も多数。『ミックス・ナッツ／イブに逢えたら』ではローラーブレイダーのカップル、『ユー・ガット・メール』ではジョーの恋人パトリシアを演じた。

リチャード・シフ

　『マイケル』『ラッキーナンバー』

　バイプレイヤー専門の感がある俳優。『刑事ジョー／ママにお手あげ』『ボディガード』『セブン』『ロスト・ワールド／ジュラシック・パーク』『ディープ・インパクト』『Ray／レイ』など話題作に多数出演。『マイケル』ではイタリアンのウェイター、『ラッキーナンバー』では主人公を脅迫して消される男ジェリーを演じる。

ジョン・トラヴォルタ

　『マイケル』『ラッキーナンバー』

　『サタデー・ナイト・フィーバー』でブレイクしたスター俳優。一時期キャリアが低迷したが、『パルプ・フィクション』が成功して以降、再び出演オファーが殺到する。『マイケル』では登場シーンの下品さにみんな引いたが、その後の巻き返しはさすが。『ラッキーナンバー』でも汚れ役に挑戦。

ジーン・ステイプルトン

　『マイケル』『ユー・ガット・メール』

　映画では『くたばれ！ヤンキース』から、TV、舞台でも活躍する、アメリカでは知らない人のいないベテラン人気女優。エミー賞、ゴールデン・グローブ賞など受賞歴も多数。『マイケル』ではモーテルの主人パンジー、『ユー・ガット・メール』ではキャスリーンの仕事仲間バーディーを演じ、癖の強い演技で存在感を示す。

ヘザー・バーンズ

　『ユー・ガット・メール』『奥さまは魔女』

　『ユー・ガット・メール』でデビューし、一躍注目を集めた逸材。以降、『トゥー・ウィークス・ノーティス』『デンジャラス・ビューティー』シリーズなどに出演。『ユー・ガット・メール』ではキャスリーンの仕事仲間クリスティーナ、『奥さまは魔女』ではスクリプターのニーナで出演。

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