恋人たちの予感

When Harry Met Sally

1989年、アメリカ (96分)

 監督:ロブ・ライナー

 製作:ロブ・ライナー、アンドリュー・シェインマン

 共同製作:スティーヴ・ニコライデス、ジェフリー・ストット、ノーラ・エフロン

 脚本:ノーラ・エフロン

 撮影監督:バリー・ソネンフェルド

 プロダクション・デザイナー :ジェーン・マスキー

 編集 :ロバート・リートン

 音楽 :マーク・シャイマン

 出演:メグ・ライアン      ビリー・クリスタル

    キャリー・フィッシャー  ブルーノ・カービー

* ストーリー

 友達の恋人ハリーを、ニューヨークまで送る事になったサリー。車中での議論でお互いの印象は最悪だったが、11年後、そんな彼らが偶然に街で再会する。どういう訳か気が合って親しく付き合いはじめる彼らだが、「男女の間に友情は成立するか」という11年来の議論には、答えが出ないままだった。

* コメント  

 恋愛映画の名手としても知られるライナーの、最初の恋愛映画。『めぐり逢えたら』『奥さまは魔女』など、自身もシックな恋愛映画の達人であるノーラ・エフロン監督の脚本を、ウィットに富んだ軽妙な語り口で映像化して、多くのファンを生みました。テーマは「男性と女性は恋愛感情抜きで親友になれるか」。メグ・ライアンとビリー・クリスタル、今やアメリカを代表するコメディアンとロマンティック・コメディの女王を起用していますが、公開当時は二人とも、まだ世界的に有名とはいえませんでした。

 脚本家も監督も機知に溢れた知的な演出には定評のある人だし、背景は秋から冬にかけての美しいニューヨーク、そこへハリー・コニックJrが歌うジャズ・ナンバーが流れるとあっては、しぜん、映画はロマンティックにならざるを得ません。俳優陣も『スター・ウォーズ』のレイア姫で有名なキャリー・フィッシャーや、個性派ブルーノ・カービーなどユニークなキャスティングで、男性と女性をグループ分けし、それぞれの価値観を対比させているのも面白い作劇です。ライナーは映画のイディオムに意識的な監督だと思いますが、本作も、様々な夫婦へのインタビューをシーンの合間に盛り込むという、独自のスタイルで構成しています。センスの良い脚本と演出、手堅いスタッフワーク、俳優達の魅力によって、本作は上質な大人のコメディ映画となりました。ただ、そりの合わない男女が長距離ドライヴをするはめになるという最初のシチュエーションは、『シュア・シング』のプロットと同じですね。

* スタッフ

 撮影監督のバリー・ソネンフェルドは、コーエン兄弟とのコンビで有名な人ですが、後に監督デビューして『メン・イン・ブラック』や『アダムス・ファミリー』など人気シリーズを手掛ける売れっ子になりました。ライナー作品では次の『ミザリー』でも撮影を担当し、本作同様シックな映像作りに手腕を発揮しています。プロデューサーのシェインマン、編集のリートンはお馴染みの製作チーム。

 注目したいのは、本作が作曲家マーク・シャイマンのライナー組初参加作である事です。当時の彼はベット・ミドラーの他、若手ジャズ・シンガー、ハリー・コニックJrのプロデューサー/アレンジャーも担当しており、その流れで参加したものと思われますが、本作以降も彼は作曲家として、ずっとライナー監督の映画を支えてゆく事になります。シャイマンは、本作に参加した他の人の映画にも関わっていて、この後、ビリー・クリスタルの出演・監督作や、ソネンフェルドの監督作『アダムス・ファミリー』の音楽も手掛けています。

* アカデミー賞  ノミネート/脚本賞

 

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