アメリカン・プレジデント

The American President 

1995年、アメリカ (114分)

 監督:ロブ・ライナー

 製作総指揮:チャールズ・ニュワース、ジェフリー・ストット

 製作:ロブ・ライナー

 脚本:ーロン・ソルキン

 撮影監督 :ジョン・シール, A.C.S.

 プロダクション・デザイナー :リリー・キルヴァート 

 編集 : ロバート・リートン、アラン・エドワード・ベル

 音楽 :マーク・シャイマン

 出演:マイケル・ダグラス       アネット・ベニング

    マーティン・シーン       マイケル・J・フォックス

    リチャード・ドレイファス    デヴィッド・ペイマー

    アンナ・ディーヴァー・スミス  サマンサ・マティス

* ストーリー

 選挙を目前に控えた大事な時期、アメリカ合衆国大統領アンドリュー・シェファードは、環境問題のロビイスト、シドニーと恋に落ちてしまう。政敵からはスキャンダルとして攻撃され、支持率も低下。ただでさえ問題山積の中、人生最大の難関を解決できるのだろうか…。

* コメント  

『ア・フュー・グッドメン』の原作者で、脚本も手掛けたアーロン・ソルキンを再び起用し、アメリカ大統領の恋愛模様に焦点を当てたドラマ。『ア・フュー・グッドメン』に匹敵する超豪華キャストを実現し、目もくらむような演技合戦を展開したエキサイティングな作品になっています。

 マイケル・ダグラスが演じる、妻を亡くした男やもめとしての大統領は、とても人間臭いキャラクター。ホワイトハウスの側近にもマイケル・J・フォックスやマーティン・シーン、デヴィッド・ペイマーなど、単にゴージャスというに留まらない、魅力的な俳優達を配してありますが、大統領と彼ら、そして一人娘の、暖かくて人間味たっぷりのやり取りをみていると、この主人公の性格的魅力はすぐに納得されます。

 個人的には、肝心の恋愛の描写が多少繊細さに欠けるのが気になりますが、ホワイトハウスの全面協力を得て入念にリサーチを行ったとあって、ディティールも真実味に溢れます。大統領以下、スタッフ達の働きぶりも大変に興味深く、それだけでも見応え充分。戯曲作家の手になる脚本はさすがに上質な仕上がりで、スタッフも一流、豪華キャストにライナーの演出とくれば、これは見なきゃ損というものです。「大統領の恋愛ドラマなんて」と敬遠したくなる人もあるでしょうが、人物が魅力的に造形されている上、ストーリーも案外いい話なのでオススメ。

* スタッフ

 製作のジェフリー・ストットと編集のロバート・リートン、音楽のマーク・シャイマンなどライナー組スタッフが脇を固めていますが、特に素晴らしいのがシャイマンの音楽。堂々たる風格を持ちながらも、ヒューマンな優しさが底流する三拍子のテーマは、映画を見終わってからも口をついて出る印象的なメロディです。この曲は、今でもテレビ番組のBGMなどで時々使われていますが、わずかにアメリカ民謡的な味付けもあり、映画の背景をよく表しています。

 撮影監督はライナー作品初登場のジョン・シールが担当。『いまを生きる』『レインマン』などの映像美で名高いオーストラリアのシネマトグラファーです。本作は室内中心の撮影ですが、格調の高い映像で作品のレヴェルアップに貢献。かつて『シュア・シング』でライナーと組んだリリー・キルヴァートによるセットは、ホワイトハウスを三度訪れて各部屋を計測し、計測許可が下りなかった部屋も、入手可能な写真を元に極力忠実に復元した力作。大統領がシドニーを案内する“陶器の間”に登場する陶器は、ホワイトハウスの陶器をフル・コレクションしているという人物から借りた本物だそうです。

* キャスト

 大統領の相手役にはアネット・ベニング。この人は、ちょっとびっくりするくらいうまいですね。表情や仕草から、感情がにじみ出てくる。特に、困った時、恥ずかしい時の表情がすこぶるニュアンス豊かです。対立候補を演じるリチャード・ドレイファスは、お得意の抑えた演技が功を奏して、納得の存在感。マーティン・シーンが演じる側近AJは、大統領の古い親友という設定で、かしこまったやり取りの中に垣間みせる友情の片鱗は、正に役者としての腕の見せ所。マイケル・J・フォックスが大統領の内政顧問というのも面白いキャスティングです。こんな人、本当にいそうです。本作にも、マイケル・ダグラス、アネット・ベニング、マーティン・シーン、M・J・フォックスが一堂に会する場面がありますが、いやあ、これは贅沢な映像ですね。

* アカデミー賞  ノミネート/作曲賞(オリジナル・ミュージカル/コメディ)

 

Home  Back