ゴースト・オブ・ミシシッピー

Ghosts Of Mississippi Ghosts From The Past 

1996年、アメリカ (130分

 監督:ロブ・ライナー

 製作総指揮:チャールズ・ニュワース、ジェフリー・ストット

 製作フレデリック・ゾロ、ニコラス・パレオロゴス

    アンドリュー・シェインマン、ロブ・ライナー

 共同製作:フランク・キャプラ三世

 脚本:ルイス・コリック

 撮影監督 : ジョン・シール, A.C.S.

 プロダクション・デザイナー :リリー・キルヴァート

 編集 : ロバート・リートン、アラン・エドワード・ベル

 音楽 :マーク・シャイマン

 出演:アダム・ボールドウィン  ウーピー・ゴールドバーグ

    ジェームズ・ウッズ  ウィリアム・H・メイシー

    ヴァージニア・マドセン  クレイグ・T・ネルソン

    マイケル・オキーフ

* ストーリー

 アメリカ、ミシシッピー州。黒人公民権運動家メドガー・エヴァースが家族の目の前で射殺される。黒人差別の激しかった時代・地域でもあり、容疑者の白人至上主義者バイロンは陪審員判決で審理無効。釈放された上に英雄扱いまで受ける事になった。しかしその30年後、若き検事ボビーはエヴァースの未亡人と共に、事件の再調査を開始する。

* コメント  

 南部を舞台に黒人差別問題を扱った、実話に基づくシリアスな内容で、俳優の芝居に全てを委ねたような舞台劇風の雰囲気。こう言っては何ですが、ライナー作品としては、よく言えば最も手堅い、悪く言えば最も地味な一作です。彼の映画には、日本未公開作品は少ないのですが、残念ながら本作はその一本になってしまいました。素材に対して真正面に向き合った、その誠意は伝わるのですが、ライナー監督なら、もう少し映画的魅力を駆使して、同じ内容を伝えられたのではないかとも思います。作品全体がテレビ・ドラマのように小さくまとまってしまったのは残念。ただ、キャストには名優を配しています。

 最も映画らしい迫力があったのは、徹底した白人至上主義者バイロンを演じたジェームズ・ウッズの登場場面でしょうか。本作の彼は、お得意の憎々しいキャラクター作りを極限まで追求した感があり、リアルである事をも越えて映画的虚構の世界へと観客を誘います(特殊メイクも施しているようです)。他の役者さんも軒並み芝居が素晴らしく、名バイプレイヤー、ウィリアム・H・メイシーなどは軽快な演技で、最初は彼だと分かりませんでした。一方、主役級のウーピー・ゴールドバーグとアレック・ボールドウィンは、抑えた演技で勝負。『ポルターガイスト』のクレイグ・T・ネルソンも出ています。

 撮影は、『アメリカン・プレジデント』のジョン・シールが担当していますが、映像的にも不思議と地味です。そういうコンセプトだったのでしょうか? この作品に関しては、一度ビデオでみただけなので、大した情報をご提供できなくて申し訳ない限りです。今後テレビで放映されたり、DVD化されたりする事があれば、このコメント内容も更新したいと思います。現時点では、「地味だ地味だ」と繰り返すだけに終始してしまって、すみません。ただ、大手サイトのレビューを読んでいる限り、ビデオで本作に接した人の間では、かなり評価の高い作品である事をここに記しておきます。

* アカデミー賞  ノミネート/助演男優賞(ジェームズ・ウッズ)、メイクアップ賞

 

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