スティーヴン・スピルバーグの映画を支えるキャスト達

 複数のスピルバーグ作品に参加している人々を追ってみましょう。

テッド・グロスマン

 『続・激突!カージャック』『ジョーズ』『レイダース/失われたアーク』『E.T.』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』『オールウェイズ』『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

 本業はスタントマンながら、チョイ役で細かく出演して“隠れスピルバーグ・ファミリー”となった人。『ジョーズ』では入り江のボートの男を演じていますが、本業もこなし、サメに足を食いちぎられたり飲み込まれたりしているのは、みんなこの人だそうです。『レイダース』では冒頭のペルーのエピソードでポーター、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』では副保安官、『オールウェイズ』ではオープニングの釣り師で出演の他、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』では久々に本業のスタントでクレジットされているのが嬉しい所。スピルバーグ関連では他に、『グーニーズ』で後に死体となるFBI捜査官を演じています。

リチャード・ドレイファス

 『ジョーズ』『未知との遭遇』『オールウェイズ』

 ニューヨーク市ブルックリン生まれ。子供時代をヨーロッパで過ごした後、ロスアンジェルスに移住。『デリンジャー』『アメリカン・グラフィティ』で注目を浴びはじめたばかりの頃にスピルバーグと出会い、『ジョーズ』の出演に繋がっています。『未知との遭遇』ではキャスティングをめぐって紆余曲折があったそうですが、結局彼が主演を務めました。

 『オールウェイズ』は久しぶりのスピルバーグ作品で、かつ主演。知的で抑制された演技が持ち味の人なので、こういう恋愛映画や多少なりとも感動が欲しい作品、『ビバリーヒルズ・バム』『パラドールにかかる月』『張り込み』『陽の当たる教室』などでは、彼のドライな芝居がブレーキになってしまう傾向もなくはありません。逆に、『アメリカン・プレジント』で演じたような硬派な役は巧いです。『グッバイガール』でオスカー受賞。

ロバーツ・ブロッサム

 『未知との遭遇』『ゴースト・トレイン』『オールウェイズ』

 クリーヴランド出身、セラピスト志望でニューヨークに出ましたが、演劇の道に入り、ブロードウェイで4つのオビー賞を受賞している名優。その内の一つ、ブライアン・デネヒーと共演した『桜の園』はソ連と日本でも公演が行われました。映画では『華麗なるギャッツビー』『スローターハウス5』『アルカトラズからの脱出』といった名作から、『クリスティーン』『ホーム・アローン』まで幅広く出演。『未知との遭遇』では農夫、『ゴースト・トレイン』では主役のおじいちゃん、『オールウェイズ』では廃屋に住む浮浪者役で参加。

ハリソン・フォード

 『レイダース/失われたアーク』『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

 ルーカス・フィルムの『インディ・ジョーンズ』シリーズ、『スター・ウォーズ』シリーズのハン・ソロ役でスターになった人。当時は『アメリカン・グラフィティ』や『地獄の黙示録』にも顔を出していて、ルーカス一派といった雰囲気。この出自を考えれば、後に演技派の佇まいを纏うようになったのも意外とも思えますし、リドリー・スコット監督『ブレードランナー』で主演したというのも、不思議な気がしますね。

 『E.T.』では、校長先生の役でシルエットだけの場面を撮影しましたが、本編では使われませんでした。その『E.T.』や『トワイライト・ゾーン』『BFG』の脚本家メリッサ・マティソンは彼の元妻で二児もあり、その意味でもスピルバーグと関係の深い人と言えます。

カレン・アレン

 『レイダース/失われたアーク』『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

 何といってもインディ・シリーズの最初のヒロインとして、男勝りの活劇ヒロインのイメージが強いですが、その後のキャリアがぱっとしなかったのは残念。当時スピルバーグについて「俳優を物としか見ていない」などと、批判的な発言を繰り返した負の印象ばかりが残ってしまいました。ビッグマウスもいいですが、自分の実力をある程度証明した人じゃないと様にならないですね。シリーズ4作目で再度の登板となりましたが、同窓会的キャスティングの感は否めず、演技面では圧倒的なヒールを演じたケイト・ブランシェットほどの存在感は出せませんでした。

デンホルム・エリオット

 『レイダース/失われたアーク』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』

 インディ・シリーズで、少々おっちょこちょいなインディの同僚を演じて、渋い存在感を放った人。テイストが大きく変わった2作目には登場しませんが、3作目に彼が出演した事でトリロジーとしてのまとまりが出たようにも思います。他に『モーリス』『大逆転』『ジェラシー』『ブラジルから来た少年』『遠すぎた橋』『ロビンとマリアン』『さすらいの航海』等に出演。『眺めのいい部屋』でアカデミー助演男優賞にノミネート。

 英国生まれ、王立演劇アカデミーに学んだ後、第二次大戦で空軍に入隊。撃墜されて入ったドイツ軍の捕虜収容所でシェイクスピア劇を演じるようになり、戦後はアマーシャム・レパートリーに参加。一か月もしない内にウェスト・エンドで俳優としてデビューした。50年にはブロードウェイにも進出。    

 

ジョン・リス=デイヴィス

 『レイダース/失われたアーク』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』

 インディ・シリーズでは、インディと行動を共にしてツッコミ役となり、抜群の味を醸して好演。艶やかなバリトン・ヴォイスで飄々とした演技ですが、場面の空気感を醸成する需要なアクセントでもあり、実は非常に難しい役ではないかと思います。彼もやはり2作目には登場しませんが、3作目で復帰してトリロジーとしてのまとまりが出ました。

 英サリスバリー生まれ、ウェールズと東アフリカで育つ。コーンウォールのトゥルロ・スクール在学中に芝居に興味を持ち、17歳で『オセロ』の主役を演じる。東アングリア大学で英語と歴史の学位を取ったしばらく学校教師をした後、奨学金を得てロンドンの王立演劇アカデミーで本格的に演技を勉強。TVシリーズ『将軍』が話題になってスピルバーグの目に留まり、キャリア早々に大抜擢。テレビ、映画を問わずおびただしい出演本数を誇り、『ビクター/ビクトリア』『007/リビング・デイライツ』『トスカニーニ』『ライジング・ストーム』『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』などに出演。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作ではギムリを演じた。

ルーカス・ハース

 『ゴースト・トレイン』『リンカーン』

 『刑事ジョン・ブック/目撃者』の子役で注目されるも、大きなバジェットの映画に連続出演したりせず、堅実にキャリアを積み上げている印象。『ゴースト・トレイン』は天才子役の時期の出演ですが、大人になってからも『リンカーン』の白人兵士1でチョイ役出演あり。青年期ではティム・バートンの『マーズ・アタック!』やウディ・アレンの『世界中がアイ・ラブ・ユー』が印象的でした。その後も、『インセプション』『スティーブ・ジョブス』『レヴェナント/蘇えりし者』など、個性的な作品をチョイスする傾向あり。

ロビン・ウィリアムズ

 『フック』、『A.I.』(声の出演)

 コメディアン出身の大スター。ヴァイタリティと人間味溢れる表現力で、コメディのみならず重厚な感動ドラマでも主役を張れる、得難い名優でもあります。『フック』で演じたピーター・バニングは、どちらかというとパワフルな活力と身体能力に依存したキャラクターで、混乱した脚本のせいで彼の演技力を生かせなかったのは残念。『シンドラーのリスト』の撮影中、精神的に疲労困憊したスピルバーグを、電話で数十分に渡って笑わせ、元気を与えたエピソードは有名です。『A.I.』ではドクター・ノウの声を担当し、短いながらテンションの高いパフォーマンスを展開しています。

 バリー・レヴィンソン監督作には『グッドモーニング・ベトナム』『トイズ』『ロビン・ウィリアムズの もしも私が大統領だったら…』と三作出演、テリー・ギリアム、クリス・コロンバス、ショーン・レヴィ、ケネス・ブラナー、ジョージ・ミラー監督作にも複数出演があります。他にもジョージ・ロイ・ヒル、ロバート・アルトマン、ガス・ヴァン・サント、ウディ・アレン、ポール・マザースキー、フランシス・コッポラなど、錚々たる名監督の作品に出演。スピルバーグとも再度のタッグが期待されましたが、その後は鬱病と初期のパーキンソン病に苦しみ、14年にサンフランシスコ近郊の自宅で、首を吊った状態で発見されました。

キャロライン・グッドール

 『フック』『シンドラーのリスト』

 英国出身。『フック』で演じた子供達の母親役が実に素晴らしく、スピルバーグもこれに注目したのか、『シンドラーのリスト』で再び主人公の妻にキャスティングされました。この時期の彼女は正に売れっ子で、レニー・ハーリンの『クリフハンガー』、リドリー・スコットの『白い嵐』、バリー・レヴィンソンの『ディスクロージャー』など、良妻賢母的な役柄を一手に引き受けた印象がありました。その後も『プリティ・プリンセス』『ニュースの天才』など細かく映画出演の他、『エイリアス』や『CSI:6 科学捜査班』など人気TVシリーズへのゲスト出演あり。

ジェフ・ゴールドブラム

 『ジュラシック・パーク』『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』

 わずか18歳でブロードウェイのヒット作『ヴェローナの二紳士』に抜擢され、『狼よさらば』の暴行魔役で映画デビュー。ロバート・アルトマン監督の『カリフォルニア・スプリット』『ナッシュビル』に起用された後、ウディ・アレン監督『アニー・ホール』、ポール・マザースキー監督『グリニッジ・ビレッジの青春』と、錚々たる作品に出演。他に、『ライト・スタッフ』『再会の時』などもありますが、異色作『ザ・フライ』の主演は話題を呼びました。『ジュラシック・パーク』で演じたサブ・キャラクター、マルコム博士が続編で主役となって大活躍。

リチャード・アッテンボロー

 『ジュラシック・パーク』『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』

 総合大学の学長の子としてケンブリッジに生まれ、『雨の午後の降霊祭』『バリシの鬼軍曹』『飛べ!フェニックス』『大脱走』『砲艦サンパブロ』『ドリトル先生の不思議な旅』など、数々の作品に出演。『素晴らしき戦争』で監督デビューし、『戦争と冒険』『遠すぎた橋』『マジック』『コーラスライン』『遠い夜明け』『チャーリー』と多数の作品を発表。82年、『E.T.』がオスカー候補と目される中、『ガンジー』でアカデミー賞を受賞しました。『ジュラシック・パーク』シリーズでは、パークの生みの親であるハモンド役で『狼たちの影』以来14年ぶりに俳優復帰。

ベン・キングズレー

 『シンドラーのリスト』、『A.I.』(声の出演)

 父はインド人医師、母は英国人モデルで、イギリスのヨークシャー生まれ。ロイヤル・シェイクスピア劇団の一員として名を馳せ、出自を生かして『ガンジー』に主演。オスカーはじめ各賞を総ナメにし、『E.T.』のアカデミー賞受賞を阻止しました。その因縁のスピルバーグ監督作『シンドラーのリスト』で、ユダヤ人側の代表者シュテルンを演じて高い評価を受け、『バグジー』でもアカデミー助演男優賞にノミネート。『A.I.』でスペシャリストの声を担当。

アーリス・ハワード

 『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』『アミスタッド』

 ミズーリ州で舞台を中心にキャリアを積み、映画出演も多数。アクターズ・スタジオの終身会員で、アメリカきっての名優と称えられている人です。出演作に、『3人のエンジェル』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『フル・メタル・ジャケット』『テキーラ・サンライズ』など。『ロスト・ワールド』では冷徹なルドロー会長、『アミスタッド』ではふてぶてしいカルフーン上院議員と、いずれも相当な憎まれ役を見事に演じていて、脇役ながら強烈な印象を残します。奥さんは名女優デブラ・ウィンガー。

ピート・ポスルスウェイト

 『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』『アミスタッド』

 ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの元メンバーで、TV、映画共に多数の出演を誇る名バイプレイヤー。『父に祈りを』でアカデミー賞ノミネート。他の出演作に『エイリアン3』『ラスト・オブ・モヒカン』『秘密』『ユージュアル・サスペクツ』『ドラゴンハート』『ロミオ&ジュリエット』など。『ロスト・ワールド』では腕ききのハンター、『アミスタッド』ではホラバード判事を好演。前者の撮影時、彼が恐竜の足跡を辿るシーンをモニターで見ていたスピルバーグが、脇にいたピーター・ストーメアに「素晴らしい役者だ。君もあんな俳優になるんだぞ」と呟いたそうです。

ピーター・ストーメア

 『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』『マイノリティ・リポート』

 15年に渡り、スウェーデンのロイヤル・シェイクスピア・シアターで名匠イングマル・ベルイマン監督と組んできた人。89年の東京グローブ座オープニング・フェスティバルでは、ベルイマン演出の『ハムレット』で主役を演じた上、翌年は同作品を演出もしています。ちなみに奥さんは日本人。

 米国に渡ってからもアクターズ・スタジオの舞台等で活躍し、映画では『ファニーとアレクサンドル』『ダメージ』『レナードの朝』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ビッグ・リボウスキ』『アルマゲドン』『ショコラ』『ミリオンダラー・ホテル』『ブラザーズ・グリム』『ゼロの未来』など、大作からシネフィル系まで、もの静かで不気味な役からハイ・テンションの陽気な役まで、多彩な出演を続けています。

 『ロスト・ワールド』には、珍しくもスピルバーグ作品に続投する俳優が3人出演していますが、ストーメアはその一人。『ファーゴ』の冷酷な殺し屋役を見て彼をディーター役にキャスティングしたスピルバーグは、その印象のせいで、実際に会うまでとても恐かったと語っていますが、会ってみると穏やかな紳士で驚いたそうです。そのギャップを生かしてか、『マイノリティ・リポート』ではテンションの高いモグリの医者役で再起用。

モーガン・フリーマン

 『アミスタッド』、『宇宙戦争』(ナレーション)

 どの監督の映画を観ても彼が出てくる気がするくらい出演作の多い名優ですが、実はスピルバーグ作品は『アミスタッド』一作のみ(それもすこぶる渋い、抑えた演技)。『宇宙戦争』では冒頭とエンディングのナレーションを担当していますが、彼の硬質な語り口が映画全体にぴりりと引き締まった緊張感を付与していて、声だけでも作品をグレードアップさせるその演技力には脱帽。

トム・ハンクス

 『プライベート・ライアン』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『ターミナル』『ブリッジ・オブ・スパイ』『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

 カリフォルニア州オークランド出身。『スプラッシュ』『ビッグ』辺りから人気俳優となり、『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ/一期一会』で2年連続アカデミー賞受賞というオスカー史上の快挙を達成。『めぐり逢えたら』『アポロ13』でも高い評価を受ける。

 どんな役でも飄々と演じてみせるポテンシャルは業界随一で、スピルバーグ作品でも常に性格の異なる役にチャレンジし続けています。スピルバーグの事を「映画の事しか喋らないような、クラスに一人はいるオタク少年みたい」と評した事もあるほど古くからの知り合いですが、初めて組んだのは『プライベート・ライアン』。その後もコメディ系、シリアス系問わず、主役級の参加が続いています。アンブリン作品には『マネー・ピット』『ジョー、満月の島へ行く』と、初期の頃から出演。

トム・クルーズ

 『マイノリティ・リポート』『宇宙戦争』

 80年代から今に至るまで人気を維持しつづける大スターですが、ポーラ・ワグナーと製作会社を立ち上げ、早くから映画のプロデュースに興味を示すなど、裏方志向もある人。早くからスピルバーグの大ファンだと公言していて、監督本人よりスピルバーグ映画に詳しいと語る彼ですが、それだけにお互いコラボレーションには慎重で、双方のやりたい事がやっと一致したのが『マイノリティ・リポート』だったそうです。

 しかし撮影現場では意気投合。早くも次に組みたい作品の話で盛り上がり、その場で『宇宙戦争』の企画が誕生したといいます。観客目線を持ち続ける、映画愛の強い俳優さんなので、そういうベクトルで一致しているスピルバーグとは、また組む可能性があるかもしれませんね。2作とも、主人公が敵から逃げ回る話というのが面白い所。

キャスリン・モリス

 『A.I.』『マイノリティ・リポート』

 テキサス、コネティカット両州で育ち、フィラデルフィアのテンプル大学で学んだ後、ロスアンジェルスで演劇クラスに参加。TVシリーズで大きな役にキャスティングされた後、『恋愛小説家』に小さな役で出演。それがロッド・ルーリー監督の目にとまり、『Deterrence』『ザ・コンテンダー』に出演して高い評価を得ますが、これを見たスピルバーグが、『A.I.』の端役に抜擢。強い印象を受けながらも、大きな役に起用できなかった事を気にしていたスピルバーグは、『マイノリティ・リポート』で再び彼女に声をかけ、主人公アンダートンの妻にキャスティングしました。

メリル・ストリープ

 『A.I.』(声の出演)、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

 ヴァッサー大学を優秀な成績で卒業し、イェール大学で美術博士号を取得、その後にブロードウェイ・デビューしたという知性派の名女優。『ディア・ハンター』で初のアカデミー賞ノミネート、17年の『マダム・ローレンス!夢見るふたり』で史上最多の20回目ノミネート。それまでに3度受賞。

ティム・ブレイク・ネルソン

 『マイノリティ・リポート』『リンカーン』

 オクラホマ州タルサ生まれ。シェイクスピアやギリシャ劇など舞台で活躍、映画出演も『ディス・イズ・マイ・ライフ』『愛・アマチュア』『フェイク』『シン・レッド・ライン』『オー・ブラザー!』など多数。脚本家/監督として、『オセロ』を現代に置き換えたジョシュ・ハートネット主演の『O(オー)』、ハーヴェイ・カイテル他豪華キャストで自らの戯曲を映画化した『灰の記憶』などがあり、コミカルな風貌に似合わず相当な才人。『マイノリティ・リポート』では犯罪者収容所の管理人ギデオン、『リンカーン』では政治工作員の一人シェル役で出演。

ダニエル・クレイグ

 『ミュンヘン』『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』

 ハリウッドのお家芸でもある、フェロモン・ムンムンの肉体派俳優かと思いきや、英国でジェームズ・ボンド役に大抜擢(もっとも、初代のショーン・コネリーもフェロモン系でしたけど)。その前に出演した『ミュンヘン』では、時代を感じさせる独特のヘア・スタイルで、血の気の多いドライバーを熱演。『タンタンの冒険』ではモーション・キャプチャーで素顔を伏せつつ、ハドック船長の敵役をパワフルに演じて、表現の幅を見せました。

サイモン・ペッグ

 『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』『レディ・プレイヤー1』

 カルト的なTVシリーズ『SPACED〜俺たちルームシェアリング〜』の共同脚本と出演、『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ/俺たちスーパー・ポリスメン!』で同じくジョー・ライトと共同脚本と出演。ニック・フロストとは『宇宙人ポール』他でも共演している。他に『スター・トレック』新シリーズ、『ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル』など。

 『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』ではニック・フロストとデュポン刑事コンビ、『レディ・プレイヤー1』ではオアシスの共同設立者オグデン・モローを演じる。

ピーター・マクロビー

 『リンカーン』『ブリッジ・オブ・スパイ』

 スコットランド生まれ。ウディ・アレン作品の常連ですが、他にも『スパイダーマン2』『ブローバック・マウンテン』など話題作への主演多数。M・ナイト・シャマラン監督の『ヴィジット』で演じた、謎の多い祖父の役は強烈なインパクトがありました。『リンカーン』では奴隷制賛成派のペンドルトン議員で、眼光鋭いルックスを生かして好演。

マーク・ライランス

 『ブリッジ・オブ・スパイ』『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』『レディ・プレイヤー1』

 旧ソ連側のスパイを淡々と演じた『ブリッジ・オブ・スパイ』で、俄然注目を浴びた中堅。この映画の撮影中、すぐに『BFG』主演の話が決まりました。イギリス出身の舞台俳優で、英オリヴィエ賞や米トニー賞を受賞するなど、輝かしいキャリアの持ち主。映画への出演も『インティマシー/親密』『ブーリン家の姉妹』『もうひとりのシェイクスピア』など、いかにも重厚な作品ばかり。

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