構想の死角 (テレビ・シリーズ『刑事コロンボ』の一話)

Murder By The Book  (Columbo)

1971年、アメリカ (76分)

         

 監督:スティーヴン・スピルバーグ

 脚本:スティーヴン・ボチコー

 撮影監督 : ラッセル・L・メティ

 音楽:ビリー・ゴールデンバーグ

 出演:ピーター・フォーク  ジャック・キャシディ

    マーティン・ミルナー  ローズマリー・フォーサイス

  

* ストーリー 

 フランクリンとフェリスはコンビで推理小説シリーズを書いている人気作家。実際には渉外の仕事だけを行っていたフランクリンだが、執筆を担当していたフェリスがシリーズを終らせると宣言したため、殺害を企てる。

* コメント    

 単発版、パイロット版に続いて始まった刑事コロンボのテレビ・シリーズ第一作目。コロンボの生みの親であるリチャード・レヴィンソンとウィリアム・リンクもコンビ・ライターであるため、主人公のコンビ作家とイメージが重なります。シリーズのスタイルを決定付けたとして高評価を得た作品ですが、スピルバーグはさほど独自性を発揮できなかったようで、オープニングにテーマ曲を使わず、タイプライターの音を挿入したり、高層ビルにあるオフィスを急角度で撮影したりしているものの、全体的に手堅くオーソドックスな演出。

 スピルバーグの才能を買って起用したレヴィンソン&リンクですが、本作の脚本は担当しておらず、番組のストーリーエディターだったスティーヴン・ボチコーがシナリオを提供しています。撮影監督は30年代から活躍し、スピルバーグが尊敬するスタンリー・キューブリック監督の『スパルタカス』や、オーソン・ウェルズの『黒い罠』など数々の名作を手掛けたラッセル・メティ。音楽のビリー・ゴールデンバーグは『四次元への招待』『激突!』でスピルバーグと組んでいる他、コロンボ作品にも幾つか参加しています。

 

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