プロデューサーのファクターは、『ワン・ステップ・ビヨンド』という斬新なホラー・ファンタジー・シリーズを製作した人で、脚本のロバート・クローズは『燃えよドラゴン』や『死亡遊戯』をはじめ、ブルース・リー関連作やカンフー映画を多数手掛ける異色のライター。彼は『エクソシスト』に先立つこと2年も前に本作の脚本を完成させていましたが、スピルバーグは撮影中にそれを知り、両者が似通っている事に気付きました。そこで登場人物のタイプを敢えて変えたそうです。撮影監督は後に『ジョーズ』でも組むビル・バトラーで、本作では、スピルバーグが「神の光」と呼んで後の作品にも多用した、強いライトで窓を照らし、人物を逆光で撮影する手法が効果的に使用されています。 俳優は当時のテレビ映画としては破格で、母親役に『バージニア・ウルフなんかこわくない』でアカデミー助演女優賞に輝いたサンディ・デニス、その夫にベテランの性格俳優マクギャヴィン、息子役のウィテッカーは連続ドラマ『ファミリー・アフェア』で知られる子役を起用。後に『ジョーズ』で脚本と出演を兼ねたカール・ゴットリーブも、端役で出演しています。ビデオ発売時の邦題は『ヘキサゴン』。 |