スピルバーグとフランク・マーシャル、キャスリン・ケネディが製作総指揮を務め、鳴り物入りで製作されたアンブリンのテレビ・シリーズの一話。全話スピルバーグの原案が元になっており、マーティン・スコセッシやクリント・イーストウッド、ロバート・ゼメキス、ピーター・ハイアムズ、ジョー・ダンテ、トビー・フーパー、マシュー・ロビンズ、ケヴィン・レイノルズ、ブラッド・バードなどなど、当時や後の人気監督を多数擁した豪華なテレビ・シリーズでしたが、内容は気の抜けたようなファンタジーが多く、そのヌルさゆえか視聴率が低迷して第2シーズンで打ち切られてしまいました。 スピルバーグ自身は、各シーズンで1話ずつのエピソードを監督しており、本作はその最初の方。線路沿いに建つ田舎の一軒家を舞台に、歴史を知る老人が孫に予告する出来事、純真さゆえに老人の言葉を信じる孫、当然ながら取り合わない息子夫婦と、ファンタジーの王道をゆくベタな設定ですが、映像と音の力技でエンタメとして盛り上げてしまうという、良くも悪くも80年代のスピルバーグを体現するような短編です。 テーマ自体、『未知との遭遇』や『E.T.』のヴァリエーションに見える所が、批評家に格好の攻撃ポイントを与えてしまった形で、『トワイライト・ゾーン』と同じ弱点がここにも散見されます。それと、作り手が尺の短さに応じきれていない印象もあり、スタティックな前半部のドラマが十分に描ききれない内、唐突にクライマックスへ突入するのは構成の座りが悪いです。いざ奇跡が起った時の息子夫婦のリアクション(特に母親の方)も、いかにも取って付けたような感じで(最初は過剰に取り乱し、突如家族三人で寄り集まって肩を組み、落ち着く)、何とも言えない違和感があります。 |